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don't love4 ページ5

あの日から数日。


もう寝ようと思っていた私に、一通のメールが届いた。


その内容通りにある住所を訪ねた。


真夜中に呼び出されたメールの内容は、「荷物をまとめて来てください」とのこと。





ピンポーン


ゆっくりベルを鳴らすと、玄関からでもなく、頭上からあの日のように何かが体に巻き付いた。


「へっ……やっ!?」



そのまま荷物まとめて引き上げられ、短い悲鳴があがる。




カネキ「…いらっしゃい。Aさん」



うっすら目を開ければ、柔らかく微笑んだカネキくんがそこにいた。



貴「か…カネキくん……」


あの日から、彼の機嫌を損ねまいと振る舞ったおかげで、最近は笑顔が多い。


でも、いつ機嫌を損ねるか予測はできないから怖いのも確か。




貴「カネキくん…あの…どうして荷物を…」



優しく彼の部屋と思われるカーペットの上に降ろされた。


微かに、カネキくんの匂いが鼻孔を擽る。



カネキ「何でって…一緒に住むんですよ」


貴「へ…」



彼の口から出た言葉に、頬が熱くなっていくのが分かる。



貴「い、一緒に住むって……!?お泊まりとかじゃなかったの!?私…そのっ…」



わたわたとしていると、彼はふっと笑みを溢して私の頬を撫でた。



カネキ「本当…可愛い。だけど、残念なことに2人きりとはいかないんですよ」



貴「…他に誰かいるの?じゃ、じゃぁ、私挨拶しなきゃダメだよね…!」



礼儀として言ったつもりだった。


人として、当たり前のことを。




カネキ「……挨拶?」



今までの笑顔が一瞬にして砕ける。


僅かに眉間にシワを寄せ、私を睨みつけるカネキくん。


鋭い視線が、容赦なく刺さった。



貴「あ…え…?」



どこに沸点があったのかさえ分からないほど、混乱する私をさし置いてカネキくんは荒々しく私の肩を掴んだ。


ギリギリと爪が食い込んで痛い。



カネキ「僕以外の人と喋るんですか…?貴方には僕だけで十分でしょう…!?挨拶した後何するんですか…?何するつもりなんですか!?ねぇ!!!」



貴「あ…あぁッ……」




カネキくんの圧で、押し潰されそう。怖い。怖い。


また、怒らせてしまった。




貴「……め…なさ………ごめんなさい…怒ら…ないで…」


ポロポロと大粒の涙を流し、必死に必死に頭をさげた。









何で、こうなってしまうの

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さくら - やば (2019年5月22日 4時) (レス) id: fba2db2f98 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ピエロさんさん» 天使ですか!嬉しいです…寛大な心をお持ちの天使様のために!!!(( (2016年1月24日 8時) (レス) id: 99758c160f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ルカさん» 有難うございます!闇カネキチはツンデレであることを望みますが…ヤンデレもいい!!!!頑張ります! (2016年1月24日 8時) (レス) id: 99758c160f (このIDを非表示/違反報告)
ピエロさん(プロフ) - 駿浬さんの作品とっても、楽しみです!駿浬さんのペースで頑張って下さい(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年1月24日 1時) (レス) id: 2d848995f7 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 闇カネキくんめっちゃ楽しみです!応援しています!!! (2016年1月23日 21時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:駿浬 | 作成日時:2015年3月23日 20時

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