深く不覚、愛して【東京喰種】

2人の出会い ページ39

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僕がAさんと出会ったのは、上井大学に入学して数週間のことだった気がする。



ヒデの忘れ物を届けに走ってきたんだっけ。






『な、永近くん！』



永「おー？」



『あ、あの。机の下にノートが…』





ビクビクとする彼女には、まるでうさぎの耳でも生えているよう。



控えめで、小さい。影で努力をしていそうな子だな、って



最初はそれだけだったんだ。









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でも、その２日後。



ヒデとあの子が楽しそうに並んで歩いていた。



その子の手には「虹のモノクロ」が見えて、思わず声をかけてしまった。









そのときに見せた笑顔に惹かれたんだと思う。



だって、彼女の笑顔は



さながら、天使たちと詠う聖母のようで



柔らかくて、温かくて、何か包み込むような包容力があった。






＿＿＿＿お母さん、みたいだ。








家に帰ってから、名前を教えてないことに気づいて後悔した。



でも、きっと彼女なら僕を見つけてくれるかも。






そうしてる間に、1人の女喰種に出会ってしまったんだ。


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