深く不覚、愛して【東京喰種】

don't love14 ページ15

貴「わ、私…！帰らなｯ…ぁぐｯ！？」






什「帰しませんよぉ？」






ギチギチと首を絞める音が耳元で聞こえる。





食い込んだ指が、喉を潰そうとしているのが分かった。


痛い。怖い。


貴「ぁ……や、……め……ｯ」


今まで感じたことの無かった痛みが体全体を痺れさせる。





彼ならこんなことしないのに。





私をもっと大事に………








思考を巡らせる中、ハッと我に返った。






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿彼って誰？





永近くん……？



違う。カネキくんだ…









何でカネキくんが出てくるの？




あの人は私を閉じ込める酷い人。







ダメ。あの人を求めちゃダメ……









ダメなのに___________



貴「か、ねき………く……」



ドッと喉を翻すような吐き気が襲う。






それは、ジューゾーくんが絞める力を強めたから。





口から吐き出したものを








血だと思いたくない。







什「お礼するんですよね？そう言ったのはAです」








Aはもう、僕のおもちゃです＿＿＿＿









聞こえない。そんな言葉。





ジューゾーくんが端から私をおもちゃと見ていたなんて思いたくない。




あの姿が嘘なんて思いたくない。








だって、楽しかったもん








貴「や、………ｯだぁ………助けてっ………カネキくん！！」




絞められ枯れる声を振り絞った。








私を見ているなら、助けてくれるはず









ねぇ、私が好きなんでしょ？






什「……カネキ…？誰です…………






誰なんだよｯｯ！！」





首を絞めていた手が、肩へと移動した。


一気に距離を詰められ、勢いで唇が重なる。





貴「んっ……んん…」








横暴、乱暴、強引………





どれもカネキくんと重なるはずなのに…





「………Aさん…」



貴「…………か、ねき……くん……」









________何故、貴方を求めてしまった？

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