Pretty man♪30 ページ34
ガチャッ……___
「……!」
アヤト「……!!」
玄関が開く音に、アヤトが急いで唇を離す。
「はっ……はぁ…はぁ…」
一気に酸素を取り込んで息を整えようとするが、荒くなっていくばかり。
アヤト「…ッ…わりぃッ」
入ってきた人物が誰か分からないが、アヤトには匂いで見当がついたのだろう。言葉を濁して窓から出ていった。
「…A?」
「…!」
この声…カネキさんだ…
「か…ねきさっ…はッ…はぁ…」
カネキ「!!…Aッ………?」
まずい。この格好じゃ女だってバレてしまう。
避けたカッターシャツをたぐり寄せ、胸元が見えないように隠した。
カネキ「…え……?」
「……ッ」
嘘…嘘。見てないよね?見られてないよね?
ドクドクと一定のリズムを刻むことができなくなった心臓が、私の体の中で暴れる。
掌を握りしめる音が鼓膜を揺らした。
カネキ「……おん、な…?」
_____ああ、終わった。きっと、騙してたって言われる。嘘つきって言われる。
どうせすぐ学校にも広まるんだ。
「…ごめ、なさッ…騙すつもりなんてなかったんです…私…にも、事情があって…」
こんな言い訳、聞きたくないですか?
貴方は正義感が強いから、きっと私を咎めるはず。
「言わないでください……お願いします…暴力でも何でも受けますから…!」
もう、どうとでもなってしまえ。学校中に広まってしまえば私は東京から出ていくのだから。
カネキ「…A……」
震える肩を力強く握られた。
そして、カッターシャツを握っていた手を剥がされ、取れかけたサラシが露になる。
カネキ「……うん。女の子だ」
確信した様子で、ふっと微笑んだ。
何か、安心したような、そんな目で。
「……怒らない…の?」
カネキ「何で?」
「だって…ずっと騙してたのに…」
覚悟した上で睫毛を伏せると、優しく頭を撫でられた。
カネキ「怒らないよ。Aだって辛かったでしょ」
それに、僕はこっちの方が嬉しいかな
私を宥めるように笑顔を向ける。
「……〜〜ッ」
カネキ「泣かないでよ〜…」
あぁ、もう…。私って、いつもいつも迷惑かけてばっかりだ
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るうなし(プロフ) - あれ?.......何か花から赤い液体が....... (2019年8月8日 13時) (レス) id: ecfcc4e1dd (このIDを非表示/違反報告)
澪 - あー、1番好きかもしれない(笑)あまり暗くないのが良いですね。 (2016年10月4日 5時) (レス) id: d9764b4d01 (このIDを非表示/違反報告)
咲音 - その文才下さい…(´д`) (2016年1月7日 17時) (レス) id: c575ca31a8 (このIDを非表示/違反報告)
星望(プロフ) - 面白かったです(≧▽≦)ドキドキでした♪ (2015年11月30日 20時) (レス) id: 97e9cbfdc0 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - ウタさんだぁぁぁぁぁあ!!( ☆∀☆)作者様々ですぅ~( TДT)頑張ってください! (2015年4月9日 1時) (レス) id: 257f924beb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駿浬 | 作成日時:2015年2月20日 17時