『女』にしてあげる【東京喰種】

Pretty man♭13 ページ15

「………はぁ」



真っ暗なリビング。
ソファーの上に、ポツンと1人。

先程から風がビュービューと窓を鳴らし、草木が揺れる音が響く。

「怖い…」


こんなナリでも心は女である。
怖いもんは怖い。

綺麗に畳まれた毛布を手に取り、うずくまる。
少しでも、この雑音を遮断しようと試みた…ものの、


ビュー…ガタッ、ガタッ……ビューｯ


…変わらんな。

モゾッと毛布から顔を出し、外の天気模様を確認しようとした時。


ピカｯ

「！？」


真っ暗な闇が、一瞬にして明るくなる。


ｺﾞﾛｺﾞﾛ…


続く地鳴り。
え、なんで…

『ね。雷鳴りそうだなぁ…』

カネキさんの言葉を思いだし、ハｯとするがもう遅い。

心臓を駆り立てる地鳴りが、次第に大きくなってゆく。

ゴロゴロ…

「あ…」

誰もいない。

暗い。

怖い。


自身を包む毛布をギュｯと握った。


どうしよう…どうしよう…

光る度に体をビクつかせ、慌てる。


スマホの電源をつければ、すでに1時を指していた。

こんな時間、誰も起きているわけがない。




「……カネキさん…」

ふと浮かんだ人物。


ただ無我夢中にその人を求めて足を動かした。



怖い。

怖い。


助けて



ガチャｯ…



「カ、ネキ…さん…」

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