ヒナミ ページ10
ピチャン
湯船に溜まった湯が、体の疲れを癒していく。
固まった筋肉が解けていくような感覚に酔いしれる。
ヒナミ「…お姉ちゃん」
向かい合って浴槽に使っていたヒナちゃんが、お湯を掬い上げた。
ヒナミ「お姉ちゃんは、お兄ちゃんを喰べたい?」
ピチャピチャッと掌から溢れたお湯が跳ねる。
貴「もちろん。何で?」
ヒナミ「少しでも味見できたら、満足するの?」
貴「…え?」
ヒナちゃんの悲しげな表情に、頭が傾く。
これが何を示しているのか。
全く分からない。
貴「どういうこと?」
訪ねれば、ヒナちゃんは再びお湯を掬い上げる動作を繰り返した。
ヒナミ「ヒナはね、お兄ちゃんが何だか悲しそうで…それで、ついてきたの」
貴「…うん」
それは、知っていた。
ヒナちゃんとカネキさんがどんな経緯で知り合ったのかは知らないけど
『助けてあげたい』。
そう思えるほど、『金木』さんに借りがあるのは、見えている。
…いや、借りじゃなくて、『恩』かな…
ヒナミ「ずっと見てきたから分かるの。だからきっと、お兄ちゃんも分かってるはずだと思う」
柔らかく微笑んで、あたしの手を握った。
ヒナミ「お姉ちゃん、知っておいて。『喰べた』と思っていても、『食』われていたのは自分の方だってこと」
貴「え…_____?」
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ユウ(プロフ) - 食品コーナーでいい匂い??? (2015年6月27日 21時) (レス) id: 89af0c6931 (このIDを非表示/違反報告)
? - 素敵な作品でした。(・∀・)⊃ (2015年5月6日 7時) (レス) id: 1c14e3af80 (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 駿浬さん» めちゃ良かった!尾赫の赫者ってどんなんなんだろーねwリア友に描いてもらえない?りゅうりぃー、僕のために描いてくださいよぉ〜。 (2015年3月31日 21時) (レス) id: f35eeeecc2 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - 柏木 エリさん» ホントですか!ありがとうございます♪リア友の絵飽き飽きしてたんです…URLくだされば、ぜひ載せます!(・ω・´ (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - kouさん» ふふ……照れちゃいますねっ★←ありがとうございます。続編どうか見てくださいね〜 (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駿浬 | 作成日時:2015年2月22日 20時