ウタ ページ37
ウタ「…落ち着いた?」
貴「ん…」
道のド真ん中で泣いているあたしを見つけて、お店まで連れてきてくれた。
昔っからそう。あたしが泣いてると駆けつけてきて抱き締めてくれる。
ウタ「で、何があったの?」
注文が来ていたのか、製作をしながら視線だけはこちらに向けていた。
泣いていた経緯を説明すると、なるほどね…と呟いた。
その意図が読み取れなくて頭をもだける。
ウタ「でも…Aはずっと逃げてたでしょ」
貴「…!」
いつもなら優しい眼差しが、鋭く突き刺さる。
ウタ「ずっと彼の面影を探して…でも、戦うことを拒んだ。
このご時世、戦わなくて済むなんてあり得ないんだよ」
あたしを咎めるその口調は、いつにも増してドスの効いた声。
貴「分かってる…」
ウタ「…分かってないよね。赫子も出さずに生きていけると思ってる?」
いつまでも守ってもらえる訳じゃない。
___分かってるんだ。そんなこと
ウタ「これから先も恐れて逃げるの?いい加減、自分が化け物だって気づかないと」
貴「…!……何それ……そんな言い方
…」
ウタ「だってそうでしょ?狩ることも知らずに、ゴロゴロ転がってる死体に飛び付いてる」
恥を知りなよ。
心に重くのしかかる。
ウタ「Aは弱い。月山くんを見習ったら?」
貴「…うるさい」
ウタ「また、そうやって逃げるの?だからいつまで経っても半端なんだよ」
貴「うるさいッ…」
何で、ウタまでそんな事言うの?
いつもみたいに大丈夫って言ってよ…
僕が守ってあげるって言ってよ!!
貴「何でよ……何で皆置いてくの…!一人なんて嫌なの!!大っ嫌い…CCGの奴らも、あたしを置いてく奴らも…!!」
『特別』って何…?特別なものを持ってたって心は強くならないじゃない。
貴「いなくならないでよ…!!龍ちゃんもお兄ちゃんもウタも『金木』さんも!」
あたしから奪うやつなんて死んじゃえ。皆々、死んじゃえばいい。
貴「あたしは…ッあたしは化け物なんかじゃない!!」
ウタ「…少し疲れてるみたいだね。…おやすみ」
あたしの意識は、ここで途切れた。
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ユウ(プロフ) - 食品コーナーでいい匂い??? (2015年6月27日 21時) (レス) id: 89af0c6931 (このIDを非表示/違反報告)
? - 素敵な作品でした。(・∀・)⊃ (2015年5月6日 7時) (レス) id: 1c14e3af80 (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 駿浬さん» めちゃ良かった!尾赫の赫者ってどんなんなんだろーねwリア友に描いてもらえない?りゅうりぃー、僕のために描いてくださいよぉ〜。 (2015年3月31日 21時) (レス) id: f35eeeecc2 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - 柏木 エリさん» ホントですか!ありがとうございます♪リア友の絵飽き飽きしてたんです…URLくだされば、ぜひ載せます!(・ω・´ (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - kouさん» ふふ……照れちゃいますねっ★←ありがとうございます。続編どうか見てくださいね〜 (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駿浬 | 作成日時:2015年2月22日 20時