こんなはずじゃ ページ33
あれから数週間。
カネキさんとは口を聞かなくなったし、むしろ避けられている気がする。
問い詰められるよりかはマシで、こっちとしては気が楽なのだが
どうしてかやるせない。
ヒナミ「お姉ちゃんおはよう！」
貴「あ…ヒナちゃん…おはよ」
カネキさんと一緒に二階から降りてきたヒナちゃんが朝から元気な笑顔を見せた。
でも、カネキさんはあたしの横を素通りして行くだけ。
貴「…………おはようございます。カネキさん…」
挨拶をしても返ってこないと分かっていても、あたし自身が気まずくなってしまうのが嫌だから、普段通りに接する。
ヒナミ「お姉ちゃん！コーヒー…」
貴「あ、うん。今淹れてあげるね」
ヒナちゃんは朝イチにあたしの淹れた珈琲を飲むのが日課らしく、頼られるこちらとしては嬉しい限り。
棚から珈琲カップを取り出すと、１つの珈琲カップがするりと手を抜け床に落ちた。
貴「あっ…」
パリーン、とガラスが弾けた音と共に、視線が刺さる。
あーあ。やってしまった。
小さな溜め息を溢し、破片を拾うために腰を下ろした。
ヒナミ「お…お姉ちゃん、大丈夫？」
キッチンに顔を出したヒナちゃんが心配そうに眉をさげている。
あたしは笑顔を見せ、大丈夫とその場を宥めた。
貴「…はぁ」
１つ１つ拾っていく度に、指のある箇所ある箇所がピリピリと痛む。
『何で話してくれないの』
貴「………」
『…1人にしないで…』
『僕はあんていくには戻らないよ』
『Aさんにも…ついて来てほしい』
『僕は…戦わなくちゃ…』
ヒナミ「ちゃん…お姉ちゃん！！」
貴「…ｯ…あ」
ハッと我に返ると、すぐ目の前にヒナちゃんの顔があった。
目の端に見える、ヒナちゃん越しのカネキさんの顔は
酷く、堕ちた表情だった。
＿＿＿＿＿＿何で貴方がそんな悲しい顔をするの…？
ヒナミ「お姉ちゃん、手…！」
そう言われて視線を下に落とすと、破片を握った手は真っ赤に染まっていた。
血が滴って、床に波紋のように広がっていく。
貴「あ、あぁ…ごめんね、掃除しておくから」
ヒナミ「そうじゃなくて……お姉ちゃん！」
血を拭くため、タオルを取りにリビングを出た。
ゆっくりゆっくり息をしながら
絡まる意図を押さえつけて。
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ユウ(プロフ) - 食品コーナーでいい匂い？？？ (2015年6月27日 21時) (
レス) id: 89af0c6931 (このIDを非表示/違反報告)
? - 素敵な作品でした。(・∀・)⊃ (2015年5月6日 7時) (レス) id: 1c14e3af80 (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 駿浬さん» めちゃ良かった！尾赫の赫者ってどんなんなんだろーねwリア友に描いてもらえない？りゅうりぃー、僕のために描いてくださいよぉ〜。 (2015年3月31日 21時) (レス) id: f35eeeecc2 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - 柏木 エリさん» ホントですか！ありがとうございます♪リア友の絵飽き飽きしてたんです…URLくだされば、ぜひ載せます！(・ω・´ (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - kouさん» ふふ……照れちゃいますねっ★←ありがとうございます。続編どうか見てくださいね〜 (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：駿浬
| 作成日時：2015年2月22日 20時
