『喰』べたかったのに『食』べられました【東京喰種】

再会 ページ22

タタタ……






ヒナミ「お姉ちゃん！」




貴「トーカさん！」






トーカ「………！ヒナミ…！？A！？」



よほど楽しみにしていたのか、ついさっきまであたしの横を歩いていたヒナちゃんは、勢いよくトーカさんに抱きついた。





貴「トーカさん、久しぶりです。それと…誕生日、おめでとうございます」



小さな紙袋を手渡す。中には、ウサギをモチーフにしたネックレスが入っている。



トーカ「ありがとう…A、また綺麗になったね」



貴「トーカさん程じゃないですよ」


近くのベンチに腰掛け、缶コーヒーをすすった。


トーカ「…元気にしてる？」


ヒナミ「うん！お姉ちゃんは勉強はかどってる？」



トーカ「痛いトコつくなよ…」


笑ったり、苦い顔をしたりして、コロコロ表情を変えるトーカさん。元気にしてるみたいで良かった…。



トーカ「A、髪伸ばすの？ヒナミは切ったんだね」


貴「はい。切って、ブローするのも面倒ですし…ヒナちゃんの髪は、カネキさんが切ってくれたんだよね？」



ヒナミ「うん。器用でしょ？」



トーカ「…そっか、よく似合ってるよ。可愛い…」



フイ、と目を反らし、どこか遠くを見つめる。その横顔は、切なくて儚かった。




貴「…………トーカさん。カネキさんに会いたいですか？」



ヒナちゃんも聞きたがっていたと思う。質問をすると、トーカさんは言葉を濁らせた。



トーカ「……私は…」


依「トーカちゃんっ…こっ…これ…『トーカちゃんに』って渡されて…眼帯の…」



駆けつけてきたトーカさんのお友逹の手に握られていたのは、先日カネキさんが選んでいた合格祈願ストラップ。



貴「………カネキさん」




それを見たトーカさんは、走り出した。……きっと、カネキさんの元へ。
　






………カネキさん。




貴方は、優しすぎなんです。



ヒナミ「…お姉ちゃん、行っちゃった」




貴「………うん」







＿＿＿＿＿＿＿＿



ウォン ウォン……



「そういえば、『二尾』もいたね…？リゼちゃんの他にも、特別が＿＿＿」

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