失態 ページ13
カチャ…
静かに玄関のドアを開けると、黒い靴のみ。
カネキさんのだ…ヒナちゃん達は公園かな？
貴「ただいま〜！」
だらしなく靴を脱ぎ捨ててキッチンに向かう。
そんな今のあたしに、月山家の令嬢の風貌の欠片など、一切ない。
欲にまみれたメス豚((
冗談は置いといて、…
カネキ「Aさん…帰ってきたんだ」
ソファーで寛いでるカネキさんを確認し、ニヤケが止まらなくなる。
貴「うん！さっき、駅前通りでおいしい珈琲を見つけたんです。ぜひ、飲んで欲しくて」
これは本当だよ。
先程お世話になった店で、見つけてきたんだ。美味しそうだったから奮発して買っちゃった。
カネキ「へぇ…Aさんにしては珍しいね？」
何の疑いもせず、珈琲のパックを眺めるカネキさん。
順調だ。
貴「あとちょっとでできますから」
手元に気が行かないように、顔を向けて話しかける。
小さなあの錠剤を珈琲の中でまんべんなくかき混ぜ、溶かす。
しばらくすると、錠剤は完全に溶けきり、珈琲の強い匂いでかき消された。
貴「入りましたよ」
カネキ「ありがとう」
ティーカップを鼻元まで近づけ、スンと空気を鳴らした。
カネキ「…いい匂い」
どうやらお気に召した様子で、頬を綻ばせた。
ティーカップを傾け、喉を上下させる。
まさか錠剤が入っているとは思わないだろう。匂いもしないのだから。
少しずつ、口角が釣り上がっていくのが自分でも分かる。
飲み干したティーカップを受け取って、顔を合わせた。
貴「どうでし……」
顔を合わせたあたしは、とんでもない異変に気づく。
あの普段の冷たい瞳とはうって変わって、とろんとした眼差し。
ほんのり紅潮した頬。
苦しいのか、少し息が上がっている。
え、何だこれ。非常に艶めかしいぞ。
瓶の詳細をもう一度確認すると、
『自身が飲むことで本能の赴くままに体を支配することができ、その色気で彼を自分のものだけにしてしまいましょう。』
…え。
貴「あたしが飲むの！？」
先に言えよ！もう飲ませちゃったよ！
カネキ「…Aさん」
…………ヤバイ。
これは、非常事態だ………
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 596人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユウ(プロフ) - 食品コーナーでいい匂い？？？ (2015年6月27日 21時) (
レス) id: 89af0c6931 (このIDを非表示/違反報告)
? - 素敵な作品でした。(・∀・)⊃ (2015年5月6日 7時) (レス) id: 1c14e3af80 (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 駿浬さん» めちゃ良かった！尾赫の赫者ってどんなんなんだろーねwリア友に描いてもらえない？りゅうりぃー、僕のために描いてくださいよぉ〜。 (2015年3月31日 21時) (レス) id: f35eeeecc2 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - 柏木 エリさん» ホントですか！ありがとうございます♪リア友の絵飽き飽きしてたんです…URLくだされば、ぜひ載せます！(・ω・´ (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - kouさん» ふふ……照れちゃいますねっ★←ありがとうございます。続編どうか見てくださいね〜 (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：駿浬
| 作成日時：2015年2月22日 20時
