特権 ページ11
『喰』っていたつもりでも、実は『食』べられていたのは自分の方。
貴「ってどういうこと！！」
バンッとカウンターを叩けば、血酒の入った紅色のグラスが揺れた。
イトリ「うっさ…もうちょっと静かにできないの？」
あたしと同様に、酔いで頬を染めたイトリちゃんは一気にグラスの血酒を飲み干した。
イトリ「大体、ペチャパイのガキんちょが何で酒なんて飲んでんの」
貴「い〜の〜…いいから一緒に考えてよ〜」
机に突っ伏して頭を冷やす。
あの日言われたヒナちゃんからの言葉。
何か引っ掛かって、解けない。
あー、だー、もー…などの唸り声が連続する。
頭の中がゴチャゴチャで意味が分かんない。
ふいにコト、とあたしの横に置かれたのは、水。
酔い気冷ましかな…
ゆっくり上半身を起こし、水を受けとる。
貴「…ありがとう。ウタ」
ウタ「どういたしまして」
にっこりと微笑む彼。
ウタとは言わば幼馴染み。
小さい頃、よくお兄さんぶって遊んでくれたものだ。
いや、実際お兄さんなんだけども…
ウタ「また、カネキくん？」
貴「んーにゃ。ちょっと引っ掛かることがあってさぁ〜…」
呂律すらも回らないあたしを目に、笑みを溢すウタ。
あたしの頭を慣れた手つきで撫であげ、一本一本丁寧にとかしていく。
心地良さに目を細めて、あたしを撫でるそのごつごつした手にすり寄った。
ウタ「可愛いね…Aは」
その言葉と同時に頭を撫でる手の動きが止まった。
貴「…ウタ…？」
少しずつ、頭から耳、耳から頬へと指が這う。
くすぐったくて身を捩る。
ウタ「いい加減、おいで…？ピエロに」
幼馴染みの特権とは、
何でも知っていることである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 596人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユウ(プロフ) - 食品コーナーでいい匂い？？？ (2015年6月27日 21時) (
レス) id: 89af0c6931 (このIDを非表示/違反報告)
? - 素敵な作品でした。(・∀・)⊃ (2015年5月6日 7時) (レス) id: 1c14e3af80 (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 駿浬さん» めちゃ良かった！尾赫の赫者ってどんなんなんだろーねwリア友に描いてもらえない？りゅうりぃー、僕のために描いてくださいよぉ〜。 (2015年3月31日 21時) (レス) id: f35eeeecc2 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - 柏木 エリさん» ホントですか！ありがとうございます♪リア友の絵飽き飽きしてたんです…URLくだされば、ぜひ載せます！(・ω・´ (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
駿浬(プロフ) - kouさん» ふふ……照れちゃいますねっ★←ありがとうございます。続編どうか見てくださいね〜 (2015年3月31日 20時) (レス) id: d96e53dc02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：駿浬
| 作成日時：2015年2月22日 20時
