草食と見せかけて肉食でしたseason2【東京喰種】 (ページ33)

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貴「あ…カネキ、今日も出かけるの？」

カネキ「うん。すぐ帰ってくるから…行ってきます」

貴「…いってらっしゃい」

バタン、と玄関が閉まる悲しい音が響いた。

朝起きてリビングに行けば、カネキは身支度をしてた。

あぁ、また今日も出かけるのか…って

最近ずっとこの調子。街を歩けば嫌な噂を耳にするし…

噂とは、「梟」のこと。

貴「芳村さん……」

CCGが何やら動き出している様子で、カネキからもあまり外に出ないように、と聞かされていた。

危ないのはアンタも一緒でしょうが…

私はしばらく玄関を見つめた末、諦めてもう一度眠りにつこうと自室にもどった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『店長ッ…芳村さん…僕がッ…僕が僕が僕が僕が僕が僕が！！！！』

『ヒデ…？』

『僕の中から出てけェェェェェェ』

やだ…やだよ…

カネキ…芳村さん…

置いてかないで…一緒にいてよ…

一人にしないでよっ……

貴「や…だ…やだぁっ……」

「……！！A！」

カネキ「A！！」

貴「やッ…！？」

肩を激しく揺すられ、意識が引き戻される。

息があがって苦しい。

カネキ「A…大丈夫……？」

目の前にいるカネキが霞んで見える。

貴「カネキ…」

カネキ「どうしたの…泣いて…」

貴「わい…こわい…」

カネキにしがみついて不安を堪える。

怖い。怖いの。

皆が、カネキが消えてなくなるのが…

また、一人になるのが…

貴「いなくならないよね？…カネキはずっとそばにいてくれるよね…？」

あぁ、今私どんな顔してるんだろ。

きっとひどい顔してるだろうな…

こんな…情けない…

ｷｭ…、と背中に回る腕の力が強くなった。

カネキ「大丈夫…僕はずっと一緒にいるよ…？」

私をあやすように、ゆっくりゆっくり体を揺らす。

カネキ「だから、泣かないで…Aを一人になんてしないから…」

優しい声色に、心が解かされてゆく。

貴「……ｯ…ふぇっ……」

貴方はこの時

どんな思いだったの