草食と見せかけて肉食でしたseason2【東京喰種】

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貴「…お兄さんも……？」








カネキ「うん……でも、無駄だったけどね…」


空を眺めて、一息つく。


カネキ「強くなっても…結局は守れなかったんだ…」




芳村さんも、Aも古間さんも入見さんも。









『守る』なんて言っておいて、結局は自分のことしか考えてなかった。






周りの全部を救いたくて自分自身を追い詰めた。


『お前が救われてくれ』

『「あんていく」に戻るの、ヒナミは大賛成だよ！』


『生き延びりゃいいだろ、フツーにさ』



『行かないではくれまいか…』









『大好きなのｯ…愛してるの！！』


カネキ「………」


天秤に選択の錘を乗せるのを

躊躇ったまま。




…僕も結局、母さんと変わらないじゃないか



ただ、僕自身が一人になるのが怖かっただけ。恐れていただけ。









大好きな、Aを置いて。









貴「…お兄さん、泣いてるの？」






カネキ「ごめん……ごめんなさい……僕は、何てことを………」






Aの、一回り小さい体にしがみつく。



カネキ「ホントは…もっと一緒に居たかった…離れたくなかった…」



貴「…うん」



カネキ「ごめんなさい…ごめんなさい」







貴「…大丈夫」



ふっ、とAの声色が、落ち着いたものに変わる。



貴「分かってる。分かってるから…」






カネキ「大好きだ……愛してるｯ」



ずっと、ずっと。








貴「うん…私も、愛してる…＿＿＿」







温かい…

大好きな、Aの温もり。



最後に感じたものがAなら、




僕は幸せなんだ。

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