レン君拾ったんだけど………。(仮)

4.主人 ページ4

「何っ!?やらっ…やら、ごめんなさい!ますたっ…!!」


「違う。違うよ…!私は“マスター”じゃないよ!……大丈夫、安心して」


そう言って強く抱きしめてみると、暴れて抵抗していた彼は大人しくなった。


「ますた……じゃにゃい……?」


「そうだよ!“マスター”じゃない。
Aっていうの!呼び捨てでいいよ!^^」


体を離して笑いかけると、男の子は不思議そうに、周囲を見渡す。


「えと、……ここはどこ？僕 早く帰らにゃいと、…ましゅたーが怒ってまた、僕……」


　


ああ、この子は何も知らないんだ。と感じて、切なくなった。


正直に“君は捨てられた”と言うべきなのかな?


そんな冷酷なことが自分にできるだろうか…?





「……その、マスターって誰なの？」


なんとなく察しはついてるけど、話を逸らしたくて。


「んーと…僕のご主人様……かな？」


「ご…ご主人様？;」


そんなメイドじゃあるまいしw;


「うん。ご主人様の言うことは絶対にゃの。マスターのやる事は全部正しいの。
だから僕をどんなに叩いても、蹴っても、……何してもいいの。誰も僕のことなんて助けてくれないの……ッ」


　

そう言って泣き出した彼を見詰めて、私は決心した。


正直に言ってあげよう。


きっと、その方が、この子のため……。


「……あのさ、聞いてくれないかな？」

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