レン君拾ったんだけど………。(仮)

3.慈愛 ページ3

ガチャ…


「ただいま…」


10分程前に出た家に再び入る。


男の子をお姫様だっこして、両手が塞がった状態でなんとか自室のドアを開けると、ベッドの上へ彼を下ろした。


先程とは違い、男の子は気持ち良さそうによく眠っている。


「……ふふっ、可愛い」


彼を見詰めて、思わず呟いた。


さっきまでパニック状態で、勢いで運んできちゃったけど……よく見ると変わった格好してるなあ。


軽いフワフワの金髪、それは後ろで一つに結わえられていて、…天パーなのかな?あっちこっちに髪が元気よく跳ねている。


まだ幼い顔つき。


指先でその頬を小さくつついてみる。


……想像通り柔らかくてプニプニしていた。


「いーなー、肌すべすべ…」


ずっと触っていたくなる。


男の子なのにセーラー服来てるんだ…。


いや、私はどこで男の子だと確信したんだろうか。


顔を見ても、可愛い顔立ちで女の子に見えなくもない。


いやでもズボンはいてるしなあ…。


さすがに脱がせて確認するなんてできないし…笑;


と、少々どうでもいいことに一人、考えを巡らせていると、男の子(？)がゆっくりと瞼を開いた。


「あっ…起きた!……ぇと、お…おはよっ!」


何と声をかければ良いか分からなくて、とりあえず笑顔を向けてみた。


すると男の子はガバッと我に返ったように突然起き上がって、


「ゃっ……ごめんなしゃい マスター!」


目をぎゅっと瞑って、怯えるような仕草で後ずさった。


　


　


私はそれを聴いた瞬間 何かを察して、堪らなくなって、


　


ぎゅっ……


　


つい彼を抱きしめた。

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