＃09 存在 ページ9
「そんなことして… なにか変わるとでも？」
思ってた。レンが私を忘れらんないなら…私が忘れたい。
レンの存在自体。
「馬鹿」
そう、私に向けて言うと、私をきつく抱きしめた。
タンクトップを1枚越しに2つの体が密着した。
何もないはずの首に強い痛みが走った。
心のどこかでまだカイトを怖がってる自分の存在に気づく。
堪えろよ… ねぇ…。
「苦しいんでしょ？痛いんでしょ？僕が怖いくせに、なぜ頑張るの？」
それでも…カイトを愛することができたら、心の痛みは消えるから。
締め付けられるような首の痛み。カイトの体に絡める腕は震えていた。
首筋に当たった優しい吐息は、痛みを少しだけ和らげた。
「それでも無理をするの？流石、僕が惚れた女… でも
そろそろ限界だろ？ 諦めないの？」
痛みで荒くなる息を止めるように
カイトは私の唇に熱い唇を押し当てた。
息を吸う時間も与えずに、息が出来ない熱いキスを続けた。
静かに進む時間。私は熱に耐え切れず、口を離した。
『さぁ!!今夜も始まりましたミュージックスタジオ略してMスタ!!
本日のスペシャルゲストは、Ｖ,Ｃ,Ｌから離脱し、現在ソロで活動している
鏡音レンさんです!!』
「レン…」
私の瞳には涙が溢れていた。
『本日は初音ミクさんカバーで桜ノ雨を歌ってくださるt
『すいません、どうしても歌いたい曲があって…』
俯いて微笑みながらそういうレンの瞳には涙が溜まっていた。
『歌いたい曲…？』
『Fire◎Flower お願いします!!』
サングラスの司会にそういうレンは既に泣いていた。
静かに演奏が始まる。
「なんで… こんなシーンが？」
涙を拭きながら、私はカイトに尋ねた。
「生放送で…何やってんだよアイツ。」
『最初から君を 好きでいられて よかったなんて 空に歌うんだ…』
最初の部分だけで、演奏が途切れた。
『聞いて!!』
うずくまったまま、レンはマイク越しに叫んだ。
『俺は…お前以外嫌なんだよ!!俺が
俺は
他のゲスト、司会者、カメラマン…すべてがざわついた。
テレビ越しの私の目には堪えられない涙が零れ溢れていた。
「ねえ…どうしてこんなに辛いの…？」
返答はなかった。カイトはテレビ局に走っていった。
『今すぐ会いたい』
それだけの文章。テレビを見ると、レンは携帯を握っていた。
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アソパソマソ - いっそのこと小説になったらどうでしょうか？文章上手すぎです！！ (2017年6月10日 10時) (
レス) id: f16cde6fb9 (このIDを非表示/違反報告)
ciel - 久々に来た！やっぱいいわ。笑更新大変だろうけど楽しみにしてますー笑頑張って下さい！！ (2014年8月19日 15時) (レス) id: 2387ee59ac (このIDを非表示/違反報告)
セイゴ - めっちゃつづき気になる！ (2014年2月26日 23時) (レス) id: fd283af571 (このIDを非表示/違反報告)
セイゴ - 更新がんばれえええええええ (2014年2月24日 23時) (レス) id: fd283af571 (このIDを非表示/違反報告)
きえ - やっばー！ 久々に読んだら泣けるーー！ヘタレンさん！才能有りますよ絶対！これからも応援してます！ (2014年2月12日 3時) (レス) id: e0b46d0f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：へたレン娘 | 作成日時：2013年4月1日 21時
