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#12 鎖 ページ12

目が覚めると、目の前には闇が広がっていた。
真っ暗で何も見えない。体が重くて持ち上げられない。身動きが取れない。

昨日…なにがあったっけ。

ここはどこ?

「お嬢さん、お目覚めかい?」
どこかで聞き覚えのある声が鼓膜を伝って頭の中に響く。
なんで…動けないんだろう。
どうして…この部屋の電気は付いてないんだろう。
ここは…どこ?

頭の中から浮かびゆく疑問は多すぎて混乱を招く。

「俺の事…覚えてる?」
優しい声で誰かさんがいう。

わからない。なにもわからない。


…座ろうとした時だった。

なにこれ。
異様な重さ。金属がこすれる音。動かない体。
なぜそこにいる人は部屋を明るくしようとしないか。

すぐに理由はわかった。

鎖。今私、鎖に繋がれてるのか。
過去の悲劇のヒロインは、こんな事くらいすぐにわかる。

「あなたは…どなたですか?」

震えた声で私は尋ねた。

「…ふーん、忘れたなんて…酷い子だね、Aちゃん。」

そういうと、嫌な音が響いた。
カッターナイフ…の…刃を出す音。

「君と愛し合った優しいお兄さんを忘れてしまうなんて…悪い子にはお仕置き…だね」

思い出した。
昨日のことも。

理解した。
私を見ているのが誰なのか。

最悪の運命と巡り合わせてしまった。
震えが止まらない。
鎖で巻かれた体は動かない。

私の契約した家で共に暮らすルームシェアが

「グ……ミヤ…さん……」

震えが止まらなかった。

寿命は短いかもしれない。

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アソパソマソ - いっそのこと小説になったらどうでしょうか?文章上手すぎです!! (2017年6月10日 10時) (レス) id: f16cde6fb9 (このIDを非表示/違反報告)
ciel - 久々に来た!やっぱいいわ。笑更新大変だろうけど楽しみにしてますー笑頑張って下さい!! (2014年8月19日 15時) (レス) id: 2387ee59ac (このIDを非表示/違反報告)
セイゴ - めっちゃつづき気になる! (2014年2月26日 23時) (レス) id: fd283af571 (このIDを非表示/違反報告)
セイゴ - 更新がんばれえええええええ (2014年2月24日 23時) (レス) id: fd283af571 (このIDを非表示/違反報告)
きえ - やっばー! 久々に読んだら泣けるーー!ヘタレンさん!才能有りますよ絶対!これからも応援してます! (2014年2月12日 3時) (レス) id: e0b46d0f43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:へたレン娘 | 作成日時:2013年4月1日 21時

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