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05.糸のような星 ページ5
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お兄ちゃんが持ってきてくれたオレンジジュースをちびちびと飲みながら、
まだかまだかと流星群を待ち続ける。
さっきまで眠たかったのに、もう今は目が冴えてしまっている。
お兄ちゃんの隣で夜空を眺める。
今もたくさんの星が光っていて、とても綺麗。
「あ！A！」
お兄ちゃんが頭上を指差した。
見上げた私は、「わああ」と小さく声を上げた。
無数の星がきらめく夜空を、白くて細い線がすうっと駆け巡っていく。
星が、流れていく。
「綺麗だねえ…」
お兄ちゃんがクスリという笑い声と共にこぼした。
私も黙ってうなづいて、オレンジジュースを飲み干してしまった。
「これが流星群なんだね…」
「願い事してみたら？A」
お兄ちゃんが小さい男の子のように無邪気に笑う。
「お兄ちゃんこそ。彼女ができるようお願いしたら」
「ひどい！彼女ぐらいすぐにできるもん！」
そう言っていたお兄ちゃんもえらい真剣に祈り始めた。
やっぱ彼女がいないこと気にしてるのかな。
お兄ちゃんを横目に、私も手を胸の前で組んだ。
御幸が私のことをすきでいてくれますように。
なんだか恥ずかしい。
できるだけ手短に祈って、
私はもう一度糸のように細い流星を見ていた。
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