純愛じゃない【灰谷蘭】

jealousy ページ26

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彼のお宅にお邪魔して数日経った頃、彼も忙しいのかなかなかメールが送られてこない上、何の進展もないまま時間だけが過ぎていく。ここ2週間は彼と会っていなかったが、比較的平和な日常が私の元にやってきて嬉しいと思う反面少し寂しい気もする。


「A〜今日バイト？」


「ううん、違うよ」


「そしたらこの後どっか行こうよ」


友達の言葉に「いいね」と返事をし帰る支度をする。ふと携帯を開けてメールを確認するも『新着メール０件』という文字にため息を零し、心に黒いモヤがかかった気がした。これは友達からの連絡が来なくて心配なだけなんだから。そう自分に言い聞かせてみるものの拭えない不安と焦りに嫌気がさす。


「どこ行く？」


そう言って自分の気を紛らわせるしか方法が無いと思った私は、友達と過ごす放課後を楽しんだ。プリクラを撮って、カフェでスイーツを食べて、ショッピングモールで服を見て。気付けば私も彼の事を忘れていて自然に笑顔が溢れてくる。




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