検索窓
今日:2 hit、昨日:11 hit、合計:164,758 hit

50.3 ページ42

青side


樹「ほくと、いる?」


奥の個室がガチャっと空いて、出てきた北斗は顔が真っ青。



樹「おい、そんな酷かったの!?」



急いで駆けつけようとした瞬間だった。




北「ゔ...ぉえ、げほげほっ!!..は、ぇ..」



樹「え..?北斗!!!」


急に嘔吐いた北斗が、口元をおさえこんだ手からこぼれ落ちたもの。



ど、して..赤黒いの?



北「けほっ..おぅえ..はぁ、ん゛ぇっ..」



赤黒いもので汚れた手で、ぎゅうって掴まれた胃周辺の白いニットは赤く染められていた。



樹「おい、北斗!!しっかりしろよっ」



俺が抱き込んで、北斗の顔を覗きこむと宙を彷徨う視線。




ぺちぺちと頬を叩いても、しっかりとした反応は返って来なかった。






•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚





黒side






すぅっと起き上がる感じがして、ゆっくりと目を開けていく。



遠かった周りの音が、どんどん近くなって色んな機械の音がしていた。



それに、誰かが鼻を啜る音がして。



北「....だ、れ..?」

樹「ほくと?北斗!!!」

北「じゅ、り?」



病室とは思えないほど、バカでかい声。


その声は、俺らを司ってくれる人の声音だ。



樹「おまえ、ばか!!なんでこんなんなるまでさっ!」


大きな目から、大粒の涙がぽたぽたと俺のベッドに落ちていく。



北「ばかって...おまえ」


樹「うるせぇ、ちゃんと聞いてっ。なんで頼らなかったの?怖かったんだろ、お前だって」


北「じゅり....ごめ」


樹「なんで血なんて吐いてさ、お前気を失うし...それに検査だなんて言われて、」



冷静なMCが、俺のために泣いて怒ってすがりついてきた。




やめろよ、お前...

おれが、樹の涙に弱いこと知ってんじゃん



北「じゅり...なくなって」



樹「は!?..そんなん無理だよ..おれ、お前に何かあったらって。このまんま目を覚まさなかったらって。怖かったんだよ!?...泣くぐらい..ゆる、してよ」



北「あ、りがと...ごめんね?」



最近ピンク髪から、落ち着いた小さな頭をそっと撫でた。

50.4→←50.2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (123 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
564人がお気に入り
設定タグ:SixTONES , 病系
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みかん | 作成日時:2020年12月8日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。