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青side
樹「ほくと、いる?」
奥の個室がガチャっと空いて、出てきた北斗は顔が真っ青。
樹「おい、そんな酷かったの!?」
急いで駆けつけようとした瞬間だった。
北「ゔ...ぉえ、げほげほっ!!..は、ぇ..」
樹「え..?北斗!!!」
急に嘔吐いた北斗が、口元をおさえこんだ手からこぼれ落ちたもの。
ど、して..赤黒いの?
北「けほっ..おぅえ..はぁ、ん゛ぇっ..」
赤黒いもので汚れた手で、ぎゅうって掴まれた胃周辺の白いニットは赤く染められていた。
樹「おい、北斗!!しっかりしろよっ」
俺が抱き込んで、北斗の顔を覗きこむと宙を彷徨う視線。
ぺちぺちと頬を叩いても、しっかりとした反応は返って来なかった。
•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚
黒side
すぅっと起き上がる感じがして、ゆっくりと目を開けていく。
遠かった周りの音が、どんどん近くなって色んな機械の音がしていた。
それに、誰かが鼻を啜る音がして。
北「....だ、れ..?」
樹「ほくと?北斗!!!」
北「じゅ、り?」
病室とは思えないほど、バカでかい声。
その声は、俺らを司ってくれる人の声音だ。
樹「おまえ、ばか!!なんでこんなんなるまでさっ!」
大きな目から、大粒の涙がぽたぽたと俺のベッドに落ちていく。
北「ばかって...おまえ」
樹「うるせぇ、ちゃんと聞いてっ。なんで頼らなかったの?怖かったんだろ、お前だって」
北「じゅり....ごめ」
樹「なんで血なんて吐いてさ、お前気を失うし...それに検査だなんて言われて、」
冷静なMCが、俺のために泣いて怒ってすがりついてきた。
やめろよ、お前...
おれが、樹の涙に弱いこと知ってんじゃん
北「じゅり...なくなって」
樹「は!?..そんなん無理だよ..おれ、お前に何かあったらって。このまんま目を覚まさなかったらって。怖かったんだよ!?...泣くぐらい..ゆる、してよ」
北「あ、りがと...ごめんね?」
最近ピンク髪から、落ち着いた小さな頭をそっと撫でた。
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作者名:みかん | 作成日時:2020年12月8日 0時