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「…兄ちゃん、まじで辞めろ」


唇が触れるまで残り数センチのところで後ろから見覚えのある声が聞こえてきて、勢い良く顔を上げると少し髪の毛が乱れたあの人がそこには立っていた。急いできたのか息切れをしている様子でA達の姿を見た瞬間に顔を顰めた彼は目の前の男の人と言い合いし始める。


「邪魔すんなよりんど〜せっかく味見してやろうと思ったのに」


「…女なら他にいくらでも居るだろ」


「聞き分け良い女なら別〜」


「お前こそ一人の女に執着するなんて珍しいじゃん」そう言って目の前の男は竜胆に微笑みかけ「気に入ってんの?」と彼を試すように下を覗き込む。


「…コイツの前でその話すんな」


竜胆と話し込む目の前の男を他所に何が何だか分からないAはその場に立ち尽くすことしか出来ずに段々と後退りをし始め、時期に背中が扉の壁にぴたりとくっ付く。


「お前も他の男に気安く触られてんじゃねえよ」


「兄貴だったからまだ良かったけど」そう言って不機嫌そうにAの頭を撫でる彼の仕草に目を細めた彼女は「はい」と静かに答えてから下を向いた。


「先に九井のとこ行っとけ、俺も後で行くから」


「あ、三途に話しかけられても無視しろよ」部屋の奥へと歩きながら後ろを向きAにそう命令した竜胆は相変わらず無表情だった彼女をちらりと見ては再び視線を前に戻す。

ご主人様の言う三途さんがどういう人物か把握していなかったがなんとなく昨日のピンク髪の方だろうと考えたAは彼の言い分をしっかりと頭に叩き込み「失礼します」と呟いてから部屋の扉を開けた。



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名無し97328号(プロフ) - 完結まで待ってます!無理せず頑張って下さい! (2022年1月13日 16時) (レス) @page25 id: 253b103d27 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!! (2021年12月23日 8時) (レス) id: 732dff87b6 (このIDを非表示/違反報告)
デルタ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!いつでも待ちます! (2021年11月4日 19時) (レス) @page23 id: e9d93af1ca (このIDを非表示/違反報告)
めんこい(プロフ) - 素敵な作品ですね(*^^*)楽しみに待ってます。 (2021年10月5日 2時) (レス) @page13 id: 43fbc056f5 (このIDを非表示/違反報告)
みりみりん - この後の展開が気になりすぎます!!更新楽しみにしてます!! (2021年9月11日 12時) (レス) id: 17b40665d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レモン | 作成日時:2021年9月10日 19時

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