検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:29,118 hit

第伍話「閉じた記憶」 ページ5

「星が綺麗ですね」

「貴様はそればかりだな」

「そうでしょうか?」

「そうだ」


芥川さんとお話が出来るなら、私はずっと貴方に伝えますよ。


それが私の死ぬまでにできることだから。

それしかもう出来ないから。


「貴様は…」

「A、と呼んでください」


貴方の口から私を呼んで。


貴方の口からのAは一体どんな思いが被せられるだろうか。


「……Aは…何故此処に居るのだ?」


難しい質問をする。


何故と言われてもポートマフィアの幹部に此処に居ろと連れて来られた。

でも多分この人が言っているのはそういうことではないのだろう。


私が此処に居るのは何故だったか……。


「太宰さんに聞いたら、分かるんじゃないですか」

「その太宰さんに本人に聞けと云われた」


あの人も悪趣味だ。

私の口からあの非道な出来事を語らせようとする。

前は優しい人だったのに、あれは全て嘘だったのですね。


「すいません。よく、覚えていないのです」


嘘だった。

本当ははっきり明確にあの出来事を覚えている。


だけど、云いたくなかった。

云えば私は泣いてしまう。

あなたの前で泣き言だけは吐きたくないの。


その真っ直ぐな目に映る私は、綺麗なものでありたい。

第陸話「何故」→←第肆話「殺される」



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 芥川龍之介   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夢見る少女☆*:(プロフ) - ねこ娘さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。言葉の意味が分からないところがこの小説の醍醐味と言っても過言じゃありませんので (2017年4月7日 3時) (レス) id: cce1ac7323 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ娘(プロフ) - はじめまして!!めっさ感動しました!!キャラが掴みづらいやつがれくんの気持ち(?)の表現の仕方とかとてもお上手です。夏目漱石の言葉とかそういう直接は伝わらないような言葉わざわざ鈍感そうなは芥川くん使うところとか、なんかとても心がキュッてなりました… (2017年4月6日 22時) (レス) id: 913331cd44 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る少女☆*:(プロフ) - 白崎 ツキトさん» 感動してくれて嬉しいです!貴方の心の中にいつまでも残っていれば幸いです (2017年3月25日 16時) (レス) id: cce1ac7323 (このIDを非表示/違反報告)
白崎 ツキト(プロフ) - やばい、すごい感動した。この作品に出会えて良かったです…!!! (2017年1月29日 19時) (レス) id: b835084626 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご@しらすの人( 。∀ ° )(プロフ) - 莱都さん» あの、コメ欄のチャット行為は禁止されているのでそろそろ… (2016年9月24日 2時) (レス) id: 77bd0378ca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:13(ひみ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5066ad29441/  
作成日時:2016年8月14日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。