落ちた鬼灯。【OP】 (ページ15)

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「カク、…Aは寝てるの？」

声は出さず、頷いたカク。彼の肩に頭を預け、寝ているAの目元は赤く腫れていて。随分と泣き腫らしたみたいねと、カリファは小さく言葉を漏らした。

「さっきようやく寝たところじゃ。心配で昨日の夜からずっと寝とらんかったからのう…。」

「…上も酷いこと言うわ。ルッチじゃなかったらどうなってたか。」

今回のカーム暗殺は、ルッチが行ったことだった。正確に言えば、ルッチに殺しの許可が出た。カームはAの持ち込んだ悪魔の実のことは知らないし、なんの罪もないが＿＿Aへの牽制として、カームは暗殺された。早く悪魔の実を出さんと、お前の身近な所に魔の手が及ぶぞ、という警告。

＿＿手っ取り早い方法で手を出してきたもんじゃ。カクは内心そう思った。

正直、Aに影響はないかと言えばそうでも無いし、良いダメージは与えられただろうと、カクは顎を撫でる。しかしまあ、カリファと同様、カクも少々可哀想なことをすると思ってはいた。

Aは静かに安定した寝息を立てている。手首につけたブレスレットに重ねるように手を置いて。
優しい所もあるんじゃなとからかうようにカクが言うと、ルッチと一緒にしないでとカリファが睨む。

「私にだって理性はあるわ。それが無ければただの獣じゃない。」

「そうじゃのう…。…もう8時か。」

「Aは暫く本社におけとアイスバーグさんが。」

当たり前じゃなと、Aを起こさぬようにカクは横抱きをする。セクハラだわと呟くカリファを放っておいて、慣れたように歩き出した。

「あんな人が死んだ場所でのうのうと生活できる方がおかしいからの。まだ血の匂いだって残ってるだろうし、ナイス名案じゃな。」

「よく言うわ。死体の横で優雅に紅茶を飲んでるくせに。」

「わはは！お互い様じゃな。」

＿＿そうじゃ、あの紅茶もう1度淹れてくれんか？カクがにこやかに笑うと、カリファも仕方ないわねと呆れるように笑った。