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242話 違う ページ10

-黄瀬side-

桃井「Aさんと結構長い間話してて、出てきて服着たと思ったら急に倒れちゃって…。どうしよう?きーちゃん!」


こういうことなら絶対俺じゃなくて緑間っちか赤司っちが来るのが正解っスよね…?

俺じゃどうすればいいか分からないっス。


黄瀬「とりあえず部屋まで連れてくから桃っちは先戻ってて?」

桃井「でも…。」

黄瀬「まだマネージャーってやることたくさんあるんスよね?目覚めるまで俺ここにいるんで終わったら戻ってきてほしいっス!」


そう言うと不安そうな顔を浮かべながらも、仕事をしに走って行った。

さてと…

桃っちは慌てて出てきたみたいでAさんはまだ床に倒れてる。

軽く揺すってみると薄く目を開けたのが見えて、立ってもらってベンチに来てもらった。

そこまではいいんスけど…


黄瀬「ねぇ、先輩?俺の膝の上からどいてほしいっス。」

A「こっちは倒れてんだぞ?涼太、水持ってねぇか?」

黄瀬「さっき青峰っちと買った牛乳ならあるっス。起き上がれますか?」


俺の体に寄りかかりながら牛乳を少しずつ飲んでいく。

すげぇ可愛い…

初めてストバスをした日みたいに心臓がトクンと動いた。

そういえば、もう俺Aさんより背高いし虹村さんと別れたみたいだしいけるんじゃないっスか?

付き合えないかもしれないけど意識ぐらいしてくれる気がするっス。


A「涼太、ごめん。もうちょっとだけいいか?」

黄瀬「どうぞっス。」


目のところにタオルを乗せたAさんの体はまだ火照っている、

優しく頭を撫でると小さな声で「ありがと」と言ってもらえた。


黄瀬「先輩。俺もう先輩より背高いっスよ?」

A「それがどうした。」

黄瀬「虹村さんと別れたんスよね?俺じゃダメっすか?」


俺の上で寝転んでいたAさんは急に立ち上がって横に座った。

別れたことを知ってることについて驚いてはいたけど、一口だけ牛乳を飲むと質問に答えてくれた。


A「ごめん。」

黄瀬「なんでっスか?自分で言うのもアレっスけど、俺顔もいいし勉強はまぁ普通だけど…。スポーツできるし優しくもするっスよ?」

A「自分で言うな。つーか、そんなんひとつしか理由ねぇよ。」


横にいるAさんと目を見合わせる。

悲しそうな、でもどこか誇らしげで幸せそうなそんな複雑な笑みを浮かべて言ってくれた。


A「だってお前修じゃねぇから。」


あぁ、敵わないな…

2人は。

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作者名: | 作成日時:2019年2月27日 22時

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