241話 盗み聞き ページ9
-赤司side-
紫原「うわぁ〜。生き返る…」
初日の練習が終わり、2年の風呂の時間になった。
とはいえ、ここにはレギュラーの2年生しかいない。
黄瀬「っていうか、今日の虹村さんとAさんおかしくなかったっスか?」
黒子「よく気づきましたね。」
黄瀬と黒子の言う通り、2人は今日おかしかった。
話をしないし、どこか距離を置いているような感じだった。
緑間「さっき黒子はAさんと話していただろ?何も聞いてないのか?」
黒子「食い違いから喧嘩したとだけ…。」
紫原「ほんとにそれだけかな〜?あの2人が喧嘩してるところなんて何百回も見たけど、口利かないとこなんて見たことなくない?」
赤司「あぁ。大体Aさんが折れてたからな。」
黄瀬「気になるっス!」
青峰「ならてめぇが聞いてこいよ。」
黄瀬「無理っスよ!」
その時だった。
男子風呂なのに高い声が響き渡った。
桃井「やっぱり、別れたんですか!?」
A「声でけぇよ!」
桃井の声が聞こえると男子風呂は静まり返り、俺たちは6人で目を見合わせた。
珍しく黄瀬も大きな声を出さず、そう広くはないお風呂の真ん中で円を作って小さな声で話を始めた。
青峰「ガチでやべぇやつじゃねぇか?」
緑間「あの2人は何をやってるのだよ。」
紫原「っていうか、さっきまでラブラブだったじゃん…」
赤司「俺からも話を聞いてみるよ。」
黒子「よろしくお願いします。」
話が終わると更衣室の方が賑やかになった。
3年生だ…
もうそんな時間なのか?
虹村「おい、交代だ。2年ども。」
黄瀬「すんませんっス!」
お風呂に入ってきた虹村さんはいたって普通でいつも通りだ。
服に着替え、更衣室を去ると慌てた様子で桃井が俺たちの方に駆け寄ってくる。
桃井「誰か!一緒に来て!Aさんが大変なの!」
黄瀬「それは俺で大丈夫っスか?」
桃井「きーちゃん…!うん!助けて…!」
一番近くにいた黄瀬が女子風呂に連れて行かれたのを見届けると部屋に戻った。
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作者名:雪 | 作成日時:2019年2月27日 22時