260話 大人の事情 ページ37
予想外の雨が降り始めた。
思ったよりその音は大きく、違和感が高まった。
A「真太郎！みんなは？」
緑間「青峰は飛び出して行ってそれを黒子が追いかけました。」
真田「集合！」
テツヤを追いかけに行こうとした矢先、雨に濡れた監督が入ってきた。
全員が集められて監督が話した内容は衝撃的だった。
A「どういうことだよ…！練習に来ようが来まいが大輝を試合に出すって。」
虹村「A。引退したんだから口を挟むな。」
前に身を乗り出そうとした俺の手を修が引いて抑えさせた。
確かに引退はしてる…。
でも、先輩として止めないのもおかしくねぇか？
A「監督！」
虹村「やめろって言ってんだろ。」
A「このままじゃこいつらが崩壊する！止めるな。」
次は腕を振り切って監督を追いかけた。
練習に来なくてもいいって言ってるようなもんだ。
それに、特別扱いを公認している。
A「監督…！なんであんなこと言ったんですか。」
真田「……。」
A「答えろよ！白金さんにもあいつらを卒業するまで頼むって言われてんだから。」
真田「理事長からの命令だ。"キセキの世代"を特別扱いしろと。学校の宣伝になるからな。」
A「そんな理由であいつらから自由なバスケを奪ってんじゃねぇ！」
胸ぐらを掴んで壁に押し付けると監督が苦しそうな顔をした後に俺の手を持って冷静に話を始めた。
真田「私だって彼らにはそのままでいてほしかった…。けど、こっちにもこっちの事情がある。分かってくれ。頼む。」
まだ怒りは静まってないけど監督の顔を見たらちょっと言いたいことも分かった気がする。
もちろん、許せねぇけど。
A「そんな理由で練習来なくていいとか言われんなら俺らが必死に部活でバスケやってる意味ってなんだよ…。」
真田「すまない。許してくれ。」
A「さすがにそれは無理です。監督の事情なんて知らねぇ。同情はするけどそういうのから守るのが大人の仕事じゃねぇのか？」
真田「すまない…」
俺の前で監督は頭を下げている。
それをあげてもらうと高い、さつきの声が聞こえてきた。
桃井「先輩！助けて！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪 | 作成日時：2019年2月27日 22時
