253話 ありがとうございました ページ30
A「修。お疲れ。」
虹村「おぉ、Aか。お疲れ。」
祝勝会で来年の主将を征十郎に、副主将を真太郎に譲ったところで外に行く修が見えたから俺も一緒に外に来て椅子に隣り合って座った。
この合宿に来てからの距離は一番近い。
少しの隙間もなくぴったりと座って肩に頭を乗せた。
虹村「なんだよ。」
A「やっぱお前の横が一番落ち着く。」
虹村「フった癖に何言ってんだ。」
A「根に持つなって。今は元通りだし。」
虹村「お前ってほんと不器用だよな。」
A「言ってろ。」
修の匂い、感覚…
短い期間しか離れてなかったのになんだかすごく懐かしくてたまらない。
虹村「早かったよな…3年。」
A「あぁ。入部した日から今までずっとお前が隣にいたって思うと変な感じだな。」
虹村「そうだな。」
A「お前がいないと俺はダメになってるみたいだわ。ずっと横にいてくれ。」
思ったことをストレートに言った後に自分で恥ずかしくなって顔が赤くなる。
それと対照的に修の口角はどんどん上がっていき、俺のことをギュッと抱きしめた。
虹村「何それ。プロポーズ?」
A「うっ…うるさい。ちょっと黙っててくれ。」
虹村「あー…。もう…。ほんとお前バカ。ここでそんなこと言うなって。好きすぎてどうしようもなくなる。」
修は一旦俺のことを離した後、もう一度近づいてきて逃げられないように俺の後頭部を自分の手で抑えると唇を合わせた。
舌を入れられて全身の力が抜けていく感覚に襲われる。
それを見て修は俺のことをベンチに押し倒してきた。
A「外だろ…バカ!」
虹村「お預けされてたんだから仕方がねぇだろ。」
A「帰ってから…にしてくれ。」
虹村「くっそ…。煽んなアホ!」
帰ってからって言ってんのに服の中にこいつは手を入れてきた。
マジでアホだ…。
赤司「少し自重してもらってもいいですか?」
A「うわぁっ!!」
赤司「そろそろ祝勝会が終わります。Aさん、監督が話したいことがあるらしくて引退式の日に来てくれだそうです。」
A「分かりました…。」
虹村「A、みんなのところに戻ろう。」
A「なんでお前は普通なんだよ!」
虹村「帰ったら、だろ?」
A「死ね…!」
蹴りを入れて3人で宿舎に戻ろうとしていると、征十郎が俺たちのことを見て一礼をした。
赤司「お2人とも、お疲れ様でした。ありがとうございました。」
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作者名:雪 | 作成日時:2019年2月27日 22時