398話 負けんな ページ20
ナッシュと征十郎が向かい合う。
ナッシュは"魔王の目"という敵味方全員の未来が見える能力を持っている。
だから征十郎とは相性が悪いらしい。
1on1に持ち込んでもナッシュの方が身体能力やバスケの能力は上だから抜けない。
真太郎が止めに入ろうとしてもアンクルブレイクで転ばされた。
火神「いかすかよ!…ぐっ!」
大我の上からダンクを決めたナッシュ。
これはなかなかにやべぇな。
ナッシュ「来いよ猿ども。とどめさしてやる。」
ストリートバスケのスタイルから俺らと同じ、いわゆる正統派のバスケへ。
気付いたら俺は笑顔を浮かべていた。
それを見た大輝がどこか安心したように俺と目を見合わせる。
こんな強敵、最後に戦ったのはいつだろう。
勝てるか勝てないか分からない最高の相手。
A「征十郎!ここは俺が一回預かるからお前は覚悟決めろ!負けんぞ、このままだと。」
征十郎からボールを預かり、ナッシュと向かい合った。
1on1の時は純粋に俺とナッシュの力量の差が出る。
俺はどこまでできんだろう?
相手のディフェンスエリアに入らないように距離を保つ。
青峰「負けんな、Aさん!」
急に大輝が変わった日を思い出した。
俺がベンチから「負けんな」と叫んだ時みたいに大輝が俺に言う。
一気に駆けぬこうとするも嫌な予感を感じて慌ててストップする。
目の前に手が伸びてきた。
このまま行ってたらカットされてたな…。
慌ててボールを背面で左手から右手に移し、次は右側から抜けようと試みる。
全部がスローモーションに見えた。
あ、これいける…。
第2のゾーン、その扉の直前までいった気がした。
今まで自分が出したことないスピードで…抜いた。
青峰「ほんと最高だよ、あんた!」
大輝が横でパスを求めているのが見えてパスを出す。
そのまま大輝はダンクでぶち込んでくれた。
「ふー」と息をつくとゾーンが切れたのに気付く。
それと同時に征十郎が俺に近づいてきて口を開いた。
赤司「すみません。お待たせしました。もう、大丈夫です。」
その目は赤色に戻っていて雰囲気も昔の征十郎を思い出す。
真っ赤な髪のこいつの頭を再び撫でる。
次は払わないで俺に向かって拳を突き出す。
A「うっし。頼んだぞ、赤司様。」
赤司「様はやめてください…。ラスト、行きますよ。」
A「おう!」
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作者名:雪 | 作成日時:2020年3月21日 2時