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396話 交代 ページ18

湊「A!」


敦が手をつき、呻いている中で花宮にやられた斎藤先輩や伸介のことを思い出して手が震えた。

公式戦には戻れるようになったし、帝光のことももうトラウマと感じなくなってる。

でもやっぱりこれだけはまだ立ち直れない。

敦がもし、バスケを続けることのできない怪我をしたら?


湊「A!」


その時、後ろに気配を感じると同時に目の前が暗くなった。

湊が俺の目に手を当てて見えないようにしてくれたみたいだ。


湊「はーい。息吸って?大丈夫だよ。紫原くんはいなくならない。」


空いてる手で俺の背中をさすり、「大丈夫」と繰り返し言ってくる。

そのおかげもあってか少しずつ落ち着いてきた。


A「ごめん。ありがとう。」

赤司「A、湊。交代だ。」

湊「2人とも?」

赤司「いや、どちらかでいいが判断を任せると監督が。」



そう征十郎が言うと俺たちは目を見合わせる。

俺は、湊が残るべきだとは思うけど…。

顎に手を置いて少し湊が考えると口を開く。


湊「僕交代するね。」

A「え、なんで?」

湊「僕はキセキの世代のみんなと一緒にいた期間が短いから、彼らと合わせるのが少し難しいんだ。それに、Aと赤司くんはチームメイトの動きをよくできるパスを持ってる。その2人が一緒にやったらすごいよくなると思うんだ。」


小さいからずっとそうだ。

湊が言うことがいつも正しい。

だから、俺は静かに頷いて湊と征十郎がハイタッチするのを見た。


赤司「A。悪いが今の僕ではナッシュを止めるのが難しい。」

A「あいよ。フォローするわ。」


試合が再開し、ナッシュと征十郎がマッチアップするもやはりナッシュが勝つ。

そこに俺が入ろうとしたとき、シルバーにボールが渡った。


シルバー「もらったぜ!」

青峰「…覚悟しな。あいつらがここまで繋げてくれた残り2分半。こっからは全開で行くぜ!」

火神「てめぇらみたいなカスに死んでも負けてたまるかよ!!」


大輝と大我がゾーンに…。

征十郎もテツヤを使いつつ2人を主体にやっていくと言う。


A「征十郎。次俺にくれ。一発叩きこむ。」

赤司「あぁ、分かった。」


ウズウズしてジャンプをしているのを見ていたからか征十郎は案外すんなりと受け入れてくれた。

俺もあと少しでゾーンに入れそうだから。

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作者名: | 作成日時:2020年3月21日 2時

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