７３話 ページ34
コウはまだ難しい顔をしていたが、レイは渋々といった感じでお祓い棒を取ってくれた
ありがとうと受け取ると、不機嫌そうにそっぽを向かれる
レ「で、何する気だよ。言っとくけどファルが治療するまで絶対動いたら駄目だからな」
コ「そう思うならお前もそれ渡すなよ」
レ「……あんな顔されて、断れるわけねーじゃん」
コウの鋭いツッコミに機嫌を損ねたレイは私には聞こえない声で呟いた
近くにいたコウには聞こえたようで、「……そうだな」とだけ言っていた。そこからはレイが拗ねてしまったから、会話は切れてしまったけど
さて、と
私は、自身に残っていた微量の魔力をお祓い棒に込め始める。少しずつ光が集まってくるその光景に、コウが目を見開いた
コ「なんだ、これ？」
貴「私の魔法です。見たことあるでしょう？」
コ「でも、あの時とは全然違うぞ」
あの時とは、コウと私が戦った時のことだろう。あれは水魔法だったし、不意をつこうと思ってたから、わざわざ力を溜めて相手に見せたりしなかったのだ
貴「魔法が違いますし、今は一気に放出もできませんからね……いたっ」
その丁寧に力を込めた魔法を、私の身体に放った
コ「は？」
レ「お前何やってんだ！？」
近くで見ていたコウが呆然とし、背中を向けたままチラチラ様子を伺っていたレイが焦ったように駆けつけてきた
でも、大丈夫。これは……
レ「治った？」
驚きを隠しきれないレイの声に合わせるように、私の身体は少しずつ癒されていく
これは、治癒魔法
魔力の消費はそこそこだが、止血くらいなら微量の魔力でも可能だ
医療系の魔法はかなり高度な魔法
応急処置はそれほど難しくなくても、これ以上の治癒は不可能だろう
レ「やっぱ魔法ってすげぇな！あんだけ溢れてた血が止まってる……！！」
血が止まったことを喜んでいるというより、治癒魔法に興奮している失礼な奴を軽く睨む。しかしその視線にレイが気付く様子もなく、代わりに気が付いたコウが苦笑する
貴「これでなんとか応急処置はできました」
二人が弾かれたように私を見る
今の一言で全てを察したのだろう
ごめんね、二人とも
貴「スカイちゃんのところへ行きます」
＊＊＊
少し解説
魔法の素質には大きく分けて量と質の2つがあります
魔力の量は生まれた時にわかりますが、質は先祖の血がどれだけ濃いかによります
質が良いと使う魔力は少量で済みます
Aちゃんは質はよくても、魔力量はそこまで多くないです
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
栗狐(プロフ) - フォローありがとー(*´-｀*)ゞございましたです(*^-^*)いまからフォローしてきます(ﾟ∀ﾟ*)(*ﾟ∀ﾟ) (2018年7月16日 13時) (
レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» うわぁぁぁぁぁぁありがとうございます！！！！失礼ですがフォローさせていただきました！！！楽しみにしてます！！！！！ (2018年7月16日 13時) (レス) id: f7209ee17f (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - 大丈夫ですよー(´▽｀)気に入っていただけてよかったです！これからもちょこちょこ投稿するのでよろしくお願いいたします(っ´▽｀)っ (2018年7月16日 13時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» 昨日疲れてそのまま寝てしまったので今見ました！！素晴らしすぎか……！？皆かっこよすぎですかもうありがとうございます！！！！！URLこっちに貼って大丈夫だったりしますでしょうか！？ (2018年7月16日 13時) (レス) id: 00d128c491 (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - そのあとも制服姿等、学パロイラストも混ぜていきたいと思います！(*^-^*)よろしくお願いいたします(ﾟ∀ﾟ*)(*ﾟ∀ﾟ) (2018年7月16日 8時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：笹乃葉 | 作成日時：2016年3月26日 17時
