【d!】天と地の吸血鬼Ⅱ (ページ14)

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61話ページ14

？｢着いたぁ...よいしょ｣

目が隠れている吸血鬼は背筋を伸ばすと車から降りた

｢おかえりなさいませ｣

？｢うん、ただいま。あの人間君を運んでくれる？｣

｢かしこまりました｣

執事だろう吸血鬼が僕を丁寧に運ぶ

『....』

何か....気持ち悪い...変な感じ

？｢はぁ...疲れたぁ！｣

豪華そうな部屋に連れていかれ座らせられる

？｢もうここでいいよ。ありがとう｣

｢では｣

執事はそう言うと扉を閉めどこかへ行った

？｢ロープ解くね｣

親切にロープを切ってくれた

馬鹿か？言ったよな...自由になったら覚えとけよって...

ロープが全て解けるのを確認すると僕は勢いよく拳を振りかぶる

？｢....｣

僕の拳は吸血鬼の手で止められた

？｢君力弱すぎ。こんなので俺倒そうとしても無理｣

頭をポンと触られる

すると、スルスルと力が抜けていった

『...へ？』

hp｢よしっ、まずは自己紹介しよっか！俺はヒプノ・ティズム。ヒプノって呼んでもいいよ。よろしくな｣

ニコニコとしながら僕の方を見つめる

気持ち悪っ...

hp｢君はなんて言うの？｣

『言うわけないだろ...』

そう言い睨む

hp｢その目嫌い。ちゃんと言ってみて？｣

ヒプノはそう言うと僕の両耳を押さえる

すると、急に頭の中が真っ白になりヒプノの声しか聞こえなくなる

hp｢君はなんて言うの？｣

『....A....』

ヒプノが僕から手を離した瞬間我を取り戻した

hp｢Aかぁ...可愛い名前...｣

僕...なんで...

扉のノック音が聞こえ誰かの声が聞こえた

｢準備が整いました主人｣

hp｢うん、分かった。来て、A｣

ヒプノは僕の手を掴み引っ張る

ヒプノに連れていかれ着いた場所は普通の部屋

hp｢今日から君の住むとこはここ。自由にゆっくりしてていいよ｣

ヒプノはそう言うと僕を部屋に残し出ていってしまった

部屋には小さな小窓があり、そのから見えるのは綺麗な海だった

ちょうど夜だったので月が海に反映し綺麗に見える

首元を触るとあの時付けられた首輪とは違い別の首輪を付けられていた

あの大切なマフラーはもう無い

『トントン....みんなっ...』

寂しい気持ちでいっぱいになり涙が出てきた

僕はその場にしゃがみこみ思いっきり泣いた

母さんを亡くしたあの時のように...