3-6 side:K ページ23
3-6 side:K
「・・・藤ヶ谷が何で俺の携帯を・・・!?」
「・・・とりあえずもう一回座ってもらっていいかな」
話はまだ終わっていないんだ、と俺を静かに見つめるよこーさんは今まで見たことがない瞳をしていて、俺はその手を振り払ってみたけれど、その目力に抗えずにもう一度イスに腰を落ち着けた。
「俺がみっちゃんにここまで話したのには理由があるんだ」
「えっ・・・?」
「・・・みっちゃん、率直に言う。このまま俺達の計画の協力者になってくれないかな」
思いがけない言葉に俺は瞳を丸くした。けれど、すぐに顔を何度も横に振ってしまう。このまま協力するということは、また玉に貢がれるということだろう。これ以上、俺は――
「みっちゃんのおかげで裕太の部屋まで潜り込むことができた・・・裕太がみっちゃんに心を開いたからだってことだと思う。だから・・・」
「・・・嫌だ・・・」
「身の安全はちゃんと保障するし、もっと報酬も払うから・・・!」
「そうじゃない!・・・こんな人の気持ちを弄ぶようなこと・・・俺には!」
玉はその背景に何があるのかはよく分からなかったし、俺を無理矢理――けれど、どうしても“悪い人”には見えなかった。玉がもし本当に俺に心を開いてくれた所以の行動だったとしたら、勘違いをさせた俺にも責任はある。
「よこーさん・・・藤ヶ谷は今どこ?」
むしろ俺の気持ちをかき乱した藤ヶ谷の方がよっぽど――
「・・・そうだね。みっちゃんは優しくて純粋だから・・・」
はい、とよこーさんは少しだけ悲しそうな顔をして俺にメモを手渡す。受け取って広げてみると、そこには俺の通っている大学の教室の番号が記載されていた。
「太輔はそこにいるよ」
「ってことは・・・藤ヶ谷って俺達と同じ大学に・・・!」
コクッと頷くよこーさんに、俺は口角を上げた。
「・・・ありがと、よこーさん・・・!」
俺はそのメモをギュッと握りしめ、今度こそよこーさんの部屋を駆け出した。
***
「・・・太輔、今、みっちゃんがそっちに向かった」
上手くやってくれよ、と横尾は髪の毛をかき上げながらため息を吐く。気を落ち着かせようとして、テーブルの上のマグカップに手を伸ばし、口へと運ぶ。
「それより太輔・・・みっちゃんに一体何をしたの?」
藤ヶ谷の声が耳に届いた次の瞬間――横尾は口からお茶を噴き出してしまっていた。
***
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作者名:ほわわ | 作成日時:2019年5月7日 0時