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3-1 side:K ページ18

3-1 side:K

口の中に押し込められた藤ヶ谷のモノを咥えながら、下の口では玉の指先が不埒に動くのを感じて、俺は気が遠くなっていくのをまるで他人事のように感じていたように思う。口が塞がれて上手く息ができない――クラクラと世界が揺れている。舌先に感じる苦みは同じ藤ヶ谷に与えられているものとして到底信じられなかった。あの甘やかなキスが恋しい――
「・・・っ!んっ!んっ!!」
 玉が服を脱ぎ捨てて、俺の足首を掴み大きく開かせた。俺はいよいよ涙を止めることができなくなり、視界がどんどんと霞んでいく――俺は何て浅はかだったんだろう。楽して大金を得ることができたならそれはきっと裏に何かあるはずだったのに。ああそうか、と途切れてしまいそうな意識の糸の先にもう一人悪魔がいたのかもしれないという想いを巡らせる。

――よこーさん・・・絶対に恨むから!

「どうしたの、みっちゃん?」
「よこーさん・・・お腹空いたぁー」
 何か作ってお願い、と俺は自称・探偵業のようなものをしている横尾さんの事務所という名の部屋に転がり込んでソファーで足をジタバタとさせていた。
「この間もそう言ってたからご飯作ってあげたよね」
 材料持ってきてくれると嬉しい、と優しい声色ながらも窘められているようだと察して、俺は思惑が外れてシュンとしてしまう。
「うー・・・今月ちょっと美味しいもの食べすぎちゃって」
「おやおや、育ち盛りなのかな、みっちゃんは」
「バイトしても結局お給料もらえるまでは、って感じだし、はぁー」
 唇を尖らせて俺はテーブルの上に伏せた。それでいて、チラリ、とよこーさんの様子を窺ってしまう。よこーさんは何か少し考えこんでいるようだった。
「・・・即金になるバイトならいいのかな?」
 働かざるもの食うべからずだからね、とよこーさんは小さく微笑んだ。俺は顔を上げ、姿勢を正すようにして座り直す。
「ちょうど人手を探している案件があって」
 どれだったかな、とよこーさんは分厚いファイルをペラペラ捲っている。
「あった、これだ!」
「えー・・・俺、肉体労働はちょっと・・・」
「大丈夫、肉体労働なんて・・・あったとしてもほんのちょっとだと思うよ」

――そのほんのちょっとに、こんなにも大変な目に遭わされるなんて。

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設定タグ:藤北 , 玉北 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:タレント
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作者名:ほわわ | 作成日時:2019年5月7日 0時

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