3-2 side:K ページ19
3-2 side:K
「で、実際俺は何の仕事をすればいいんですかね」
「探偵ごっこかな?」
「えっ?」
俺みたいにね、とよこーさんはニッコリと微笑んで見せる。
「みっちゃん、平たく言うと、悪い人と繋がりがあるかもしれない男をマークして欲しいんだ」
「・・・何だよそれ、身の危険性があるのもちょっと・・・」
「報酬はとりあえず一日これでどう?」
そう言ってよこーさんはパーに開いた手を見せて、ヒラヒラとさせている。
「5千円かー・・・まぁでもすぐにもらえるなら・・・」
「違うよ、みっちゃん。5万円」
「ご、5万円!?」
やります!と俺は無意識に両手をあげていた。よこーさんはそんな俺の姿に笑みを零している。
「身の危険は・・・大丈夫なのかな?」
「背に腹は代えられない!お腹が空くのもどうしようもない!」
「ふふっ、みっちゃんらしいなぁ」
じゃあこのバーに行って、とよこーさんは地図を手渡してくれる。
「・・・って、これだけじゃ、誰をマークしに行けばいいのか分からなくね?」
「大丈夫。みっちゃんはすぐ顔に出ちゃうかもしれないから、何の情報もない方がいいかと思って」
それって俺が単純ってこと、と頬を膨らませて抗議をすると、純粋だから、とよこーさんは俺の頭を撫でてくる。
「今回のお仕事は純粋な子の方が都合いいかもしれない・・・相手がなかなか見る目厳しくて結構手こずってるんだ。先にその男の懐に入り込んでいる相棒と一緒に頼むね」
――今、思えば、その純粋な子が玉のタイプだったからなのかもしれない。
「・・・よこーさん、一体誰からこんな仕事の依頼を?」
「守秘義務があるから話せないよ。特に・・・お金をたくさんもらっている人ならなおさらね」
その言葉に俺はまた表情を曇らせる。
「依頼人は・・・分かった。でも相棒のことは知りたい」
一緒に仕事するんだし、と俺は不安げに呟く。
「絶対に分かると思うよ・・・名字だけ教えておくね」
――藤ヶ谷、って、どこかで聞いたことあるような・・・。
「名前を呼ばれたら、その名字を呼び返してあげて?」
それが仕事開始の合図だから、と俺はよこーさんに紙袋を手渡される。中には青いスーツジャケットが入っていた。これを着て行けばいいの、と俺はその紙袋をギュッと抱きしめる。
「分かった・・・藤ヶ谷に見つけてもらって・・・頑張る」
よろしくね、と微笑むよこーさんは、優しいし俺の金欠を解消してくれる聖母のように見えたのに――
next→3-3へ
563人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほわわ | 作成日時:2019年5月7日 0時