3-3 side:K ページ20
3-3 side:K
「んっ・・・んんっ・・・!」
「ほら、どんどん気持ちよくなってるんでしょ、ミツ・・・!」
ハアッ、と大きく息を吸えるようになったのは、藤ヶ谷が俺の口から自身を退けたからだ。良すぎて噛まれても困る、とベッドサイドからも離れていく。だらしなく口の端からいろいろ零し続ける俺に玉の身体が覆いかぶさってくる。
「大丈夫・・・大人しくしてれば、優しくするから・・・!」
玉の顔が俺の首筋に触れ、舌を這わされ、玉の両手が俺を掻き抱き好きなように撫でまわしてくる。
「やめて・・・!!誰か・・・助けてっ」
「・・・おやおや、激しい方がお好みなのかな」
「いやぁ!!やだぁっ!!」
後孔に宛がわれる何かを感じて、俺は悲鳴を上げて泣き叫ぶ。唇は何度も“藤ヶ谷”と言葉を紡ぐ。動かない身体同様に――いやそれ以上に、頭の中は思考を止めたようでぐったりと意識が闇の中へ沈んでいく。意識を失ってしまえばもう身体は好きなように弄ばれてしまうのに、もうどうすることもできないならどうなってもいいとどこかで諦めてしまったのかもしれない。
――藤ヶ谷・・・!!
唯一の真実であるその名前だけを何度も口にしながら、俺は――
「うっ・・・ううっ・・・藤ヶ谷・・・!藤ヶ谷!!」
俺は布団を跳ね除けながら、ガバッと身体を起こした。きちんと起き上がれたことで、先ほどまで自分の上に圧し掛かっていたはずの玉の姿はないことに気がつく。それどころか――狭いベッドに低い天井、ベッドの横にいた観葉植物もない。ここは俺もよく知っている場所だった。
「・・・みっちゃん、おはよう」
太輔はもういないけどね、とエプロンを身に着けたよこーさんが、トレイを手にして俺の方へ歩み寄ってくる。これが現実なのか分からず、俺は自分の頬をそっと伸ばしてみた――痛い、夢じゃない。よこーさんがテーブルの上に置いた朝食からはホカホカとした湯気が立っている。ベッドサイドに腰かけたよこーさんはそっと俺の頭を撫でてくる。その優しい感触にも、もう一度夢じゃないと認識して、じんわりと涙が込み上げてきた。
「昨日はお疲れ様でした・・・怖い目に遭わせたみたいでごめんね」
「・・・よこーさん・・・よこーさん!!」
まるで子供のように俺はその身体に泣きついてしまっていた。俺よりも幾分大きいよこーさんに包まれるように腕を回され、しばらくはその胸を借りて涙を零し続けた。
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作者名:ほわわ | 作成日時:2019年5月7日 0時