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「はー…ただいまぁ。」
「えっ?撮影は?」
「おかえりって言ってよー。」
「えっ、あ…おかえりなさい…」
「ん、ただいま。」
私の頭をポンポンと撫でて、洗面台で普通に手を洗う倫也さん。
「まだ5日しか…」
「明日撮るはずだったシーンが延期になっちゃってさ。明日の夜には戻るけど、帰ってきちゃった。」
ふわっと笑う彼が愛しくて、まだ手を洗っている背中に抱きついた。
肺を満たす彼の匂いと、少し冷えた背中。
「Aちゃん、そんなに寂しかったの。」
キュッと蛇口を閉める音がして、タオルの衣擦れの音がした。
「会いたかったです。」
「…ん。ねぇ、俺もぎゅってしたいから、」
抱きしめる腕を緩めると、振り向いた倫也さんにしっかり抱きしめられた。
「寂しがりやさん。」
「ごめんなさい。」
「ううん、俺も同じかもしれない。」
耳より少し高い位置で、直に聞こえる倫也さんの声。
倫也さんの腕が少し緩んで、顔を上げると優しい瞳の彼。
少しずつ近付いて…私が目を閉じてすぐに、触れるだけのキス。
「…その顔ずるい、です。」
「なんで…?Aちゃんも今、すっごいずるい顔してるよ?」
返事をする前に、もう一度触れて、もう一度…今度は深く。
キュッと服を掴むと、倫也さんは私を抱き上げてベッドに運んだ。
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marisuke(プロフ) - 1話から一気に読んでしまいました!!この倫也さんの雰囲気大好きです(^_^)この続きが気になります(>_<)また気が向いたら更新してほしいです。 (2021年6月17日 8時) (レス) id: a8375f91b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高木 | 作成日時:2021年3月29日 0時