ミッション ページ48
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陣さんの一言で、4チームに分かれてチーム戦でジェンガをすることになった。
ちょっと変わっているジェンガらしく、引いたコマの裏に書いてあるミッションをクリアしなければいけないというもの。
北人「A、ジェンガできる?」
『こういう地道なゲームは得意ですよ』
北人「でもミッションあるよ、変なの書いてあったらどうするの?」
『…チーム内の助け合いありですか?』
ミッションって何なんだろう。
同じチームに北人くんがいてくれて心強い。
他には翔吾くんと健太さんと翔平くんが同じチームになった。
チーム分けは陣さんの独断と偏見によるものらしい。
序盤は順調に進み、ミッションも変顔とか特技とか割と可愛らしいものばかりだった。
陣「お!壱馬、“今まで付き合った人の人数”やって」
壱馬「…まあ、1人ですよ」
彰吾「嘘つけー」
壱馬「こんな嘘つきませんよ、笑」
昂秀「一途っすね〜」
壱馬「結婚するつもりで付き合ってたし、」
そう言いながら、壱馬くんは慎重にジェンガを積み上げる。
壱馬くんって、とっても一途なんだ。
付き合ってきた人数だけで、そうとは言えないんだろうけど
私の中の壱馬くんのイメージがどんどん変わっていく。
北人「何て書いてある?」
意外とジェンガは倒れず、もう5週目で、私の番になった。
『“目の前にあるお酒を飲む”?』
健太「おお!じゃあこれどうぞ!」
こういうミッションもあるのか…
隣にいた健太さんが目の前にある缶チューハイを持ち、私の手に持たせると
北人「あー、ダメです。この子お酒弱いんで」
健太「え?そうなの?」
北人「拓磨より弱いです」
北人くんが、間を割って私が持っている缶チューハイ取り上げた。
ゲームだし、中盤も超えてだいぶ盛り上がってるし、ここで飲まなかったら空気読めない女になる。
『…でも、まあゲームですし、飲みますよ』
北人「俺が飲む」
『いや、だめです』
北人「こんくらいなら平気だから」
北人くんはそのまま缶チューハイを飲み干してしまった。
メンバーさんは北人くんをかっこいいかっこいいって笑っている。
俺も別に強い方ではないけどって言ってたのに…
少しだけ飲んだお酒が回っているせいか、北人くんの優しさに少し泣きそうになった。
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作者名:はるの | 作成日時:2020年10月16日 11時