独占欲 ページ49
.
北人side
結局、
ジェンガはお酒でヘロヘロになってた拓磨が倒して終了。
ひたすらお酒を飲んでる人たち、
ボードゲームやり始めた人たち、
カメラアプリの加工で楽しんでる人たち、
皆それぞれ、やりたい放題になっている。
缶チューハイ持ってる俺はそのどこにも属さず、
質問攻めにあってるAのただ隣にいる。
すると、俺の手元にあったAのスマホが震えた。
北人「A、電話だよ」
『あ、すいません』
一瞬見えた。
ディスプレイに表示されているのは男の人の名前。
そして、なぜかその画面を見てしばらく固まるA。
北人「この人、どうしたの?」
『最近…知り合った人で、ちょっと対応に困ってるんですよね』
その困っている様子を見て、訳ありっていうことはすぐ理解した。
男友だち少ないんじゃなかったの?
思いがけない男の存在に俺の中の独占欲が刺激される。
『…でも、出ます』
渋々、電話に出るA。
Aの声はもちろん、相手の声も丸聞こえで
拓也「彼氏いるって嘘なんでしょ?くるみちゃんいないって言ってたけど」
『あ…いや』
電話に出たはいいものの、全く会話になってないし。
彼氏いるって嘘…
勘のいい俺はいろんなことを察する。
『えっと…あっ ちょっと』
北人「もう連絡するのやめてください」
気づいたらAの手からスマホ奪っていて、
自分の口から勝手に言葉がスラスラ出てくる。
拓也「いや、誰ですか」
北人「彼氏です」
拓也「は、」
北人「なんで、二度とかけないで下さい」
次の言葉はもう聞く必要ない。
電話が切れたことを確認し、
“はい”とAにスマホを突き出す。
陸「北ちゃんかっけー」
樹「こりゃ惚れるわ〜」
スマホを受け取ったAは目を丸くして、唖然としている。
飲めないお酒飲もうとしたり、
よく分からない男から連絡が来たり、
さっきから本当に心配で気が気じゃない。
俺は彼氏でもなんでもないけど、それくらいAのことが好きらしい。
633人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はるの | 作成日時:2020年10月16日 11時