夢見る隙間（壱×北） (ページ45)

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本当に何もページ45

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北人side

北人「はぁ…」

周りに誰もいない自販機の前で、思わず大きなため息が漏れる。

男しかいない、あんな危なっかしい空間にAを呼び出して、俺は一体何がしたかったんだ…

通常運転の俺なら、あんなことしないのに

しかも、マジで記憶ない。やばい
Aが来てくれたことをうっすら覚えてるくらいで

何もしてないよな？
俺、Aに…何も…

でも、こんなこと誰にも聞けないし
もし俺の家でなんかしてたら、Aしか知らないし

どうする…どうする俺…

樹「聞きましたよ、昨日のこと」

北人「うおっ、びっくりした」

樹「珍しいっすねー、そんな酔うなんて」

昨日の現場にいなかった、樹

俺そんなお酒強くもないのに、なんであんなに飲んだかな
やけ酒…ってやつ？

え…Aに会ってなかったから…？

…だとしたら、相当重症だぞこれ

樹「女の子まで連れてきちゃって」

北人「っ！なんで知ってんの？」

樹「健太さんに聞きました」

あの人…本当すぐペラペラ喋る

まあ、いいや
今に始まったことじゃないし
別に知られても何の問題もない

樹「もしかして、狙ってます？」

北人「狙ってるっていう言い方はちょっと」

樹「はいもう大丈夫です分かりました〜」

北人「おい、先輩やぞ」

樹「好きなんですね」

北人「うん、好き」

樹「わ〜恥ずかしっ、よくそんなストレートに言えますね」

そう言って、どっかに消えてった樹。

俺は多分メンバーとかに言いふらしちゃうタイプだと思うし、そもそも隠せないタイプだと思うから、隠したところで…

…あぁ、ていうかそれはどうでもよくて
とりあえず、Aには連絡しとかないと

吉野北人昨日はごめん!本当にごめん! 今度お詫びします、、

今度、絶対なんかお返ししないと俺の気が済まない…

はあ、
本当に俺、何もしてないよな…？

その事ばかりが気になって、その後の打ち合わせに集中できなかった。