天使15 ページ15
イケブクロ駅に着いたと連絡が来たから三郎に迎えに行ってもらうことにした。
あいつとは会ったことねぇけど俺に似てるしわかるだろう。
20分ほどすると三郎が帰ってきて、後ろにはもちろん宵がいる。
ただいま帰りましたって三郎が入ってくると、宵もただいまなんて言って入るから、お前はお邪魔しますだろって頭を撫でて言ったら拗ねてしまった。
ムスッとした顔で二郎にくっつくと、普段甘えられてない二郎は嬉しいのか苦笑いしながらおかえりって言ってやってる。偉いな二郎。
2人が両手に持つ荷物はどうやら全部土産らしい。
三郎も少し待ってやっていて荷物を置くと、ちゃんと礼を言っていた。そういうところはちゃんとしてんのにな。
三郎の2つ下である宵はこうして見るとすげぇ小さいな。
2つしか変わらないのに三郎との身長差がすごく大きい。
山田家は背が高い遺伝なんだぜ。
『そうだ！お土産いっぱい持ってきたから見て！』
「お、おう、気ぃつかわせて悪りぃな
てか、ありがてぇけど中身なんだ？」
「まじですっげぇたくさんあるな」
「すごく重かったですけど」
『一郎が好きって言ってから買ってきたの
なんかの本』
「え？…これ、まさか全部…」
袋を手繰り寄せて開けると…まさかのラノベ。
新刊が大量に入っていた。
土産って普通菓子とかじゃねぇか？
いや、菓子はうちにもあるからいいけどよ。
「宵、これどうしたんだ？」
『買ってきたの
全部あげるよ
二郎も好きなんでしょ？
三郎はなんか難しそうな本適当に選んだ』
一つの袋は学術書ばっかり…まじかよ。
二郎も開けてないの袋を開けてまだ呼んだことねぇやつだ！とすごく喜んでいる。
いや、嬉しくなくはないけどな？
…だがこれって。
「お前、これ何で買ったんだ？
またヤバいことに首突っ込んでるんじゃねぇだろうな？」
『普通に買ったんだよ』
「…はぁ、土産は嬉しいけどこんなの貰えねぇよ」
『え？なんで？』
「土産にこんな金使う必要はねぇんだ
小遣いは大事に使え
それに普通に手ぶらで良いっつったろ？」
「そうですね
学術書も比較的に高額なものばかりですし」
「まぁ何もしてねぇしな」
『………』
宵はそれを聞いてすごく悲しそうな顔を俯いてしまった。
『…一郎たちが、喜んでくれるかと思ったのに』
「嬉しくないとは言ってないだろ？
ただ、俺たちは貢いで欲しいわけじゃねぇんだ
だから、次からこういうことはしなくていい
わかったな？」
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作者名：忌子の君 | 作成日時：2020年1月4日 5時
