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天使13 ページ13

『先生こんにちは』


「はい、こんにちは宵くん」


今日は2週間に1回の検診の日。
身体が弱い母の遺伝で身体が強くない僕はこうして高頻度で病院に行かされている。昔よりだいぶ、というよりほぼ健康体なのにこの習慣は未だ免除されない。
いつものように少しお話してから診察をしてもらう。
その間僕は暇だ。


『ねぇ先生、先生も新しいチーム組んだんでしょ?

どんな人たち?』


「そういえばまだ会わせたことがなかったね

とても面白い子たちだよ」


『先生がそう言うってことはすごく変な人たちなんだ』


「ふふ、昔からその物言いは変わらないね

変ではないさ、ただ___」


「せんせぇー!!」


『!?』


「一二三!!今先生は診察中だって言ってただろ!?」


「っひぃ!?お、女!?怖いこわ怖いぃぃ!!!」


「す、すみませんすみませんすみませんすみません!

違うんです!本当にセクハラや覗きではないんです!

俺は止めようと思ってそれで…

あぁ、なんで俺は…これで訴えられて借金まみれになって会社もクビになって生活もできなくなって俺は餓死して1人悲しく部屋で孤独死するんだ…全部全部全部全部俺が悪いだ…」


「2人とも、少し変わっているんだ」


『…やっぱり変な人だ』


セクハラって、子どもの上半身見ただけで訴えられないよ。


「一二三くんも独歩くんも少し落ち着こうか

宵くんも、騒がしくなってしまって申し訳ないね」


『いいよ

僕楽しいの好きだから』


先生はそう言って席を立つと2人に説明しながら落ち着かせた。
大人なのに随分情けなそうな人たち。
まあ強面ヤクザとか悪徳警官とかゲテモノ軍人よりは普通か。


『2人とも落ち着いた?』


「は、はい、先程は大変申し訳ありませんでした

私は、観音坂独歩というしがないサラリーマンをしておりまして

これ名刺です」


『わーありがとう!』


「俺っちは伊奘冉一二三!ひふみんって呼んでね!

さっきはまじめんご!」


『もういいよ

僕は嫁兼屋宵、よろしく独歩とひふみん』


「みんな仲良くなれそうでよかったよ

それで、独歩くんたちは少し待っていてもらえるかな

まだ宵くんの診察が終わっていなくてね」


「っ!?すすすすみません

外で待っていますので!!いくぞ一二三!」


別にそこに座っててもよかったのに、独歩はわざわざひふみんの腕を掴んで出て行った。


『先生、僕が男って独歩に言った?』


「そういえば言ってなかったね」


先生は少し抜けてる。

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作者名:忌子の君 | 作成日時:2020年1月4日 5時

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