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自分の教室が近づくにつれ大きくなる下品な笑い声。ドアについてる窓のような所から中を見ると俺に話を振ってきたバカ女達が取り巻きとともにAを囲んでた。
「ね、うざすぎ」
「そらるくんに庇ってもらってチョーシ乗ってるんでしょ？」
「周りにキョーミありませんって顔してよくやるわ〜やらし、」
他にも言いがかりとしか言えない事やただの八つ当たりのようなこともAのせいにしてて。同じ人間なのかすら疑問に思えてくる。
「…。」
「本気で相手にしてもらってるとか思っちゃってる？ハッ、笑いすぎて腹筋割れるんですけど。」
「そらるくんも迷惑してるって気づかない？」
お前らの方が迷惑、心の中で毒づいた。こんな古典的な手法を真に受けたのか、Aは弾かれたように立ち上がってこちらのドアの方に走ってきた。あ、やば
「……っ？！」
こちらを見る驚いた双眸は今にも溢れそうな膜が張っていて。君は俺を置き去りにして走り出した。
Aが開けた扉から俺がいることに気づいたのか焦って喚き始めるバカ女達。
「あっ、そ、そらるく、これは違うの」
「ほ、本当は迷惑なんでしょ？！あいつに付きまとわ」
「うるさい」
一言に全てを込めて睨みつける。俺の行動のどこから俺が迷惑してると感じたのか、おめでたい頭を褒めてやりたい。
「誰も頼んでないしお前らみたいなうるさい、誰かの悪口しか言わないバカより俺はAがいい。迷惑なのはどっちかよく考えた方がいいよ。」
言い終わる前に駆け出す。君と過ごした場所は屋上だけ。うちの屋上は人気がないし一応進学校だしいつも二人きりだった。
下駄箱に行って君が帰ってるか確認する前に屋上へ向かってた。
俺は運動部じゃないし、週二の体育だってサボってる。普段から体なんて動かさないしましてや走るなんていつぶりだろうか。
階段でもつれそうになる足、必死に酸素と二酸化炭素を交換する肺、カラカラに渇いた口、血の味が滲む喉。全部気にしてられなくて無我夢中で屋上まで走った。
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作者名：作者一同 | 作成日時：2019年10月5日 5時
