緋色の交渉2 ページ20
「うそつき!」
「えぇ〜?!」
矛先がAの方に向いてしまい、Aは困ったように眉を下げた。店には3人以外いないことを良いことにコナンは遠慮なく続けた。
「安室さんが公安かって聞いた時にAさん公安にはいないって言ったよね。」
「そりゃいるわけないじゃん。安室さんはポアロの店員であり、わるーい組織の一員なんだよ?」
「警察官なのは降谷警視正です。」と敬礼するAにコナンは溜息を吐いた。
「A、コナン君。今ここには3人だけとはいえ何処に盗聴器があるか分からないんだから、そういう話は完全なセーフハウスでするように。」
と、降谷がAとコナンに忠告すると、二人はハッとして反省の色を滲ませた。その表情を見て降谷は「ハッハッハ」と笑うと
「でもま、ポアロにそういう類の物が設置されていないことは毎日僕が確認済みなんですけどね!」
と、ニッコリと言った安室にAとコナンはジト目になる。まんまと揶揄われたのだった。
「ボク、安室さんからAさんを守ろうと思って必死だったのにムカつく。」
「『ムカつく』なんてコナン君口が悪いね。」
「だってそうでしょ?」
ボクの取り越し苦労を返してよ。と、口を尖らすコナンの目線になるようにAはしゃがむとコナンの頭を撫でて、ギュッと抱きしめた。
「ごめんね、ありがと。小さな騎士さん。」
Aの突然のハグと感謝に「えっと…あのっ…」と、頬を赤くしてコナンは照れた。蘭一筋といっても美人には弱いのは男のサガだ。Aからのスキンシップにタジタジになっていると、いきなりAからコナンが引き剥がされた。
「僕のお姫様を盗らないでくれるかい?小さな騎士君。」
コナンの脇を抱えてAから距離を取らせた安室の顔は真顔であった。「ひっ」とコナンは顔色を青くした。昨日と今日でこの人とやり合う気力は持ち合わせていない。
「安室さん、大人気ないですよ。」
「あぁ、ごめんなさい。貴女の事となると我を忘れてしまうみたいで。」
と、コナンに助け舟を出したAに向かって歯の浮くような台詞を言って安室はコナンを離した。
Aは「あ!そうだ!」と何かを思い付いたように呟くと、コナンをチョイチョイと手招きした。「何?」とAに近づいたコナンにAは耳打ちした。
「今日この後、昴さんの家に一緒に行ってくれない?」
1719人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chie(プロフ) - 毎回楽しく拝見させていただいています!続きも楽しみに待ってます! (2017年11月30日 0時) (レス) id: f0b8527a99 (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - かにのすけ。さん» ぉぉぉ!こういう降谷さん!!なんという嬉しい言葉!ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 藍莉さん» 更新を待っていてもらえて凄く嬉しいです!!ありがとうございます!安室さん、こんなに主人公にベタ惚れで大丈夫かなと書いてて思います笑 更新頑張ります!! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 雨令さん» 安室さんはポアロのエロいお兄さんというイメージですからね笑 良かったと言っていただけて嬉しいですー! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
かにのすけ。(プロフ) - これです!!こういう降谷さんが見たかったんです!!続き待ってます!! (2017年11月28日 18時) (レス) id: 53a735ef35 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ライス | 作成日時:2017年9月10日 16時