追っている人物2 ページ45
「それに、Aの身体に消えない傷を残したアイツを俺は許さない。」
そう言って降谷はワインをグイッと飲んだ。あぁ、そんな飲み方をしては悪酔いしてしまうではないか。「俺の付ける跡はすぐ消えてしまうのに、許せない」という降谷の呟きは聞かなかったことにしよう。
「赤井の消息を確かめるため、ヤツに縁のある者の周りで火傷を負った赤井の変装をして動いて見たが、特に情報は得られなかった。」
「…え?」
火傷の男?米花百貨店の爆弾騒ぎの時に見た火傷の男性ってやはり、
「零さんだったの?!」
「そうだ。」
やはりあの蒼い瞳は零さんのものだったのだ!
「零さん、私の存在を知ってて無視してたんですね?!」
「あ、あぁ…。」
「無視してるくせにコッチに殺気まで飛ばして!あーもう!あの時から踊らされてたなんて!」
足を段々と地団駄を踏んで悔しがるAに降谷は「殺気を飛ばしたのはAにではなく、Aの腕を掴んでいた沖矢とかいう男なんだけどな。」と思ったが黙っていた。
「…でも今、この蒼は零さんだけの蒼だって確信しました。」
「え?」
今度は降谷が首を傾げた。Aは身を乗り出してダイニングテーブル越しに座っている降谷の頬に手を添えて、
「貴方のこの綺麗な蒼い瞳は貴方だけのものなんだって。」
別人になりきっていても貴方を見つける自信が出ました。と、微笑むAに、降谷は自分の頬が染まるのを感じた。それをAにバレないように俯くと
「煽ったのはお前だからな、A」
と席を立ち、Aの横に来たと思ったら、降谷はAを担ぎ上げた。
「え?えぇ???!!零さん??!!」
「据え膳食わねば男が廃る。」
ビーフシチューの据え膳は食わないんですか?!とジタバタするAに「暴れるな、落とすぞ」と釘を刺し、寝室のドアを開けた。
ベットに放り投げられたAの上に降谷は覆い被さると
「シチューはAを食べてからにしような。」
「ーーっ!!」
飛び切りの笑顔で言われてはAも太刀打ち出来ない。真っ赤になった顔を隠すようにAは降谷の首元に抱きついた。
「…零さんにしか付けられない傷、付けてくださいよ。」
「っ!ふ、煽ってくれる…」
降谷はAの肩口の銃傷に唇を這わせたのだった。
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風間 - アキさん» わざわざ突っ込む必要なくない?あなただってそうして 発砲 だとわかってるんだし。 (2022年8月11日 21時) (レス) @page19 id: b391deb645 (このIDを非表示/違反報告)
アキ - 『かなりの至近距離での発泡』・・・炭酸?『発砲』では? (2019年11月30日 18時) (レス) id: e7946caf9a (このIDを非表示/違反報告)
シイラ - 面白い!どんどん読めちゃいます! (2018年7月30日 7時) (レス) id: 768ba98b2e (このIDを非表示/違反報告)
ふなっしー - ふなっしー (2018年7月30日 7時) (レス) id: 768ba98b2e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - ういさん» はじめまして!この小説を見つけていただいてありがとうございます!執行されたらもう降谷さんから後戻りできないですよね笑 2周目!ありがたいです。何回読んでも読み応えのある作品が作れるように頑張ります! (2018年7月17日 21時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ライス | 作成日時:2017年6月1日 15時