第10話:・・・遅かったか ページ12
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サソリ「・・・A」
A「・・・ぐすっ、っく・・・」
うずくまったまま、嗚咽する彼女の頭をサソリは撫でた。
サソリ「・・・またイタチに泣かされたのか」
A「・・・っ」
サソリ「ったく、見てるこっちがヒヤヒヤするぜ」
サソリはAの背中をさする。
涙をぬぐい、顔を上げたAはサソリを見つめる。
A「違うよ・・・」
サソリ「は?何が?」
A「・・・違う、違うの・・・。イタチは・・・」
言ってまたうつむいた彼女をサソリは不思議そうに眺めていた。
***
つらいとき、悲しいとき、一人でいるとき、いつも君の笑顔を思い浮かべる。
それだけで心が軽くなって、自分も口元が綻ぶから。
だけど、君は今、側にいない。
姿を見ることも、声を聞くことも、触れることさえできない。
心が千切れそうな思いで、自分は祈った。
君にまた会いたい───
もう一度、君の側にいたいと───・・・
だけど、自分のその願いは彼を深く傷つけてしまった。
***
サスケ「・・・はぁっ、はあっ・・・。くそっ・・・!!」
壁をダンッと音を立てながら、サスケは殴った。
サスケ「・・・遅かったか・・・っ」
───『なぁ、知ってるか?最近の不審者の話』
───『ああ、確か、他所の国の忍が一般人に化けて出入りしてるっていう・・・』
───『木の葉(ここ)にも、二人ぐらいあんまり見かけない奴らがいるらしいんだ』
───『二人?』
───『蓑笠を深くかぶって、黒地に赤い雲が描かれてるマントを着てるのが特徴らしくて・・・。見かけた人間の一人が、そいつらに襲われそうになったんだってよ』
───『本当か!?』
───『そいつが言うには、二人のうち、一人は鮫みてーな顔してたらしい。でけぇ剣を背負ってたって。んで、もう一人が・・・』
───『“黒髪に、写輪眼で・・・まるで、うちはイタチみたいな男だった”って』
サスケ「イタチ・・・里に来ていやがったのかよ・・・」
一般人の話に、目の色を変えたサスケは里や近くの森を全速力で見回った。
だが、イタチ達を見つけられなかった。
サスケ「くそっ・・・イタチ・・・ッ!」
サスケはギリッと歯ぎしりをした。
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ハイキュー,研磨LOVE☆《*≧∀≦》 - とっても面白いです!( ☆∀☆)サイッコー!作者さん神です!続き楽しみにしてます!(* ̄∇ ̄)ノワロフー (2014年11月18日 2時) (レス) id: 7f5409c857 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 更新が遅くなってすみません。 (2014年11月16日 10時) (レス) id: 18bffa24f1 (このIDを非表示/違反報告)
うちは - 続きが早く見たいよ(ゝω∂) (2014年10月11日 20時) (レス) id: 5e476c10a3 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 暗喰リス様、設定を付け足したので見てください(*^^*) (2014年4月27日 17時) (レス) id: 18bffa24f1 (このIDを非表示/違反報告)
暗喰リス - イタチさんが俺得!あと設定とかありませんか?ともかく更新頑張ってください! (2014年4月26日 21時) (レス) id: 8f0744c1e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミント | 作成日時:2014年4月26日 20時