41〈最終編〉 ページ45
とある冬の探偵社。
「……………………はあぁ」
溜息を一つ零す度に鏡花ちゃんの肩がびく、と揺れる。
ごめんね鏡花ちゃん、こんな女の溜息一つで驚かせちゃって。
………でも今は正直それどころではない。
「………乱歩さんが足りない」
そう、この頃私は乱歩さんに避けられているのだ。
理由なんて全くわからない。わかるはずない。だってあの乱歩さんだよ?推測なんてできないわ。
「おいA、そろそろ良い加減にしろ。
お前の溜息のせいで先刻から俺の集中が切れて今日のスケジュールから大幅に予定がずれているのだ。
悩みがあるのかもしれないが、公私混同はするな。お前の仕事も幾つか溜まっているぞ」
「えぇ、そんなぁ………」
無慈悲な国木田さんの言葉に情けない声が出る。いつもならもっと騒いでるけどもう今日はそんな元気もない。
そんな私を哀れに思ったのか、国木田さんは諦めたように口を開いた。
「………手を動かしながら、であれば話を聞いてやらんこともない」
「ほんとですか……?」
「あぁ。だからとっととデスクにつけ」
ありがとうございます、と言って私のデスクに座る。パソコンを開きながら、国木田さんにここ最近の話を事細かに説明するのであった。
*
乱歩さんが私を避けるようになったのは3週間ほど前ということ、完全に会話がないわけではなく、家に帰れば一緒に話すし食事も共にすること、しかし理由を聞いても何も言ってくれないことなど、とにかくわかることを全て吐いた。
「そういうことがあったのか」
「なんなんでしょう、会話はあるのに回数が中途半端だから余計につらいです。ろくすっぽスキンシップも取らなくなりましたし」
「………だがしかし、それだけ聞くとAは乱歩さんにき……」
「わかってないねぇ、国木田くん」
「………なんだ太宰」
何かを言いかけた国木田さんを遮るように太宰さんはフッと笑う。
「Aちゃん、この件に関しては君は何も気にしなくて良いよ」
「そんなの無理なんですけど」
「安心したまえ、そのうち乱歩さんがAちゃんを避ける理由もわかるから。
そこそこの推理力があれば、すぐわかることだけど……まぁ乱歩さんからしたら鈍いほうが良いのかもしれないね?」
意味深な言葉をつらつらと並べる太宰さんに首を傾げると太宰さんはいつものように飄々とした笑みを浮かべた。
「まぁ、君はそのまましばらく待っていれば良い」
「はぁ……そうですか」
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蜜柑 - 推しの乱歩さん...!カッコ良かったですね!見ててキュンっと来ました!素敵な小説有り難うございました!これからも小説を書くのなら、頑張って下さい! (2019年5月25日 9時) (レス) id: 8f1f373125 (このIDを非表示/違反報告)
マルフォイ - もう最後とか興奮泣きせずには読めないよ...乱歩君マジヤバたん。 (2019年5月24日 22時) (レス) id: bae9fea7d4 (このIDを非表示/違反報告)
太宰LOVE(プロフ) - 体育座りで泣いている!?あの芥川が!?可愛いすぎか。 (2017年6月30日 21時) (レス) id: d0ae358db4 (このIDを非表示/違反報告)
バレー馬鹿(プロフ) - とてもいい作品で涙がちょちょぎれました…!素晴らしいお話をありがとうございました! (2016年11月27日 22時) (レス) id: b3242b4568 (このIDを非表示/違反報告)
朱 - お疲れ様です! (2016年9月3日 19時) (レス) id: c784d9244a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミコ | 作成日時:2016年5月21日 7時