【文スト】君が良ければ僕も良し！【江戸川乱歩】

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「Aちゃん見て見て！サメだよ！！」


「わ、おっきい…！すごい、かっこいいね」



大きな水槽を見上げ感嘆の声を上げたAちゃんは「ほわぁ」とか、「ふへぇ」とか言葉がになっていない言葉が開いた口からこぼれた。



「さっすが新しい水族館……客集めに必死なのかな」


「そういう夢のないこと言わないでよ乱歩さん………はひぃ、お腹すいた」



「あー、もう3時か。
大分見たし、そろそろ出る？
そしたらおやつ買おうよ」


僕の提案にAちゃんはぱあっと目を輝かせて「クレープがいい！」と飛び跳ねながら言った。



・



「わーい、乱歩さんありがとう！」


「Aちゃんのお願いなら僕は喜んでクレープくらい買ってあげるよ」



「んふふ、そのうち金ヅルになっちゃうよ？」


にこにこ笑顔でクレープを頬張りそういうAちゃん。金ヅルは笑えないなぁ……結構真面目に。



「乱歩さん、クレープ食べる？」



何も食べていない僕を気にしているのか、Aちゃんは食べかけのクレープをずいっと僕に近づける。


え、これって間接キスじゃん。もらっとく？もらっておいた方が僕的には得？



悶々とそんなことを考え、Aちゃんの方を見ると僕はある事を思いついた。




「ううん、僕はいいよ」



そう言って彼女の口の端についたクリームをぺろりと舐め、口元に弧を描く。



「コッチで充分だから♡」



にんまりと笑ってみせるとAちゃんの顔は途端に真っ赤になり、彼女はその場でフリーズするのだった。


本当、僕の彼女は天使だなぁ♪


***
リクエストありがとうございました。
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