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--- Ken side
末澤さんがええ人でかっこいい人やってのは、ご飯行った時のあの時間だけでも十分に伝わってきた。
Aもやけど、大晴とかまっさんとか晶哉にも懐かれてて。
何よりAの顔を見てると、もうとっくに末澤さんのことが好きなんやろうなってすぐ分かった。
こんなん、俺が強引に奪ったとしても誰も幸せにならん。
元々誰とも戦う気もないし、同期であり親友っていうこのポジションで居続けるのも悪くないなとは思ってる。
福「末澤さんと付き合うん？」
「いや、それはまだ言われてなくて…でもそのうち私もちゃんと答え出さなあかんなぁとは思ってる。」
福「現時点でアリかナシかで言うと？」
「ん、まぁ……それは、アリ、かな」
福「うわ〜〜Aにもついに春が来るんか〜〜」
小「言うてる間に夏やけどな」
福「そういうことちゃうやん(笑)」
ちょっとトイレ行ってくるわーとAが席を立つと、大晴が心配そうに俺を見てくる。
小「やめてくれ、そんな顔で見んな(笑)」
福「まぁいつでも話聞くから元気だせって！はい、ポテトあげる(笑)」
小「いらんねんこんなん(笑)」
福「いや食べてるやん！(笑)」
小「いらんけど食うやろポテトは」
大晴とわちゃわちゃやってるとAが帰ってきて、『あーお水ないやん、ちょっとちょうだい』とか言いながら俺の水を勝手に飲む。
小「おまえ、そういうとこやぞ、ほんまに」
「え、なに？ごめん、取りに行くんめんどくて」
小「はぁ、もうええ、好きに飲んでくれ」
「もういらんよ(笑)」
ほんま可愛くない。俺のこともちょっとくらい意識してくれてもええのにな。
小「そろそろ帰ろか」
福「そやな」
「はーい」
何かを察したのか、大晴は伝票を持ってサッとレジに行った。
俺はマイペースに準備してるAを待って、立ち上がったのと同時に頭を軽く撫でた。
小「素直になれよ」
「…？」
小「末澤さんのこと好きなんやろ」
「は！？」
小「応援してるで」
応援してる。それは嘘じゃない。
ちょっと心が痛いけど、こいつが幸せならそれでいい。
ありがとうと言ったAの頬は少し赤くなってて、それが俺に対してならよかったのにな、なんて思う。
末澤さん、こいつのこと頼んだで。
本人には絶対言わんけど。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年4月23日 9時
