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7,少年 ページ10

黒木side


「黒木君、ちょっと病院内でも散歩したら?筋力落ちちゃうからね。」


医師の勧めを受けて、散歩することにした。
廊下には消毒液の匂いが漂っている。


“ICU”


そこは透明なガラスで仕切られていて、中が見えるようになっていた。
40代以上の人がほとんどのその部屋の中で1人、少年が静かに眠っていた。
その少年に惹き付けられるように俺はICUに入った。


ベッドに近寄ると心電図の心地よい音楽が耳に入る。
かわいそうに…まだ俺と同じくらいなのにな…


少年の白く繊細な頬に触れる。
あたたかかった。
不意に涙が溢れる…?
なんでだろう?


ズキン!


酷い痛みが俺を貫いた。思わずよろける。
瞬間、俺の頭にある1つの場面が浮かび上がった。


自分に迫ってくる1台のトラック。
俺はそこから動かない。
突然突き飛ばされた自分。
倒れる少年…!?こいつは?
俺を庇ってくれた?


俺は混乱した。


俺はあのときどうしたんだ?
俺のせいでこいつが?


たくさんの思いが交差する。
苦しい。
息が上手く吸えなくなり、床に膝をつく。
肩で荒い息を繰り返した。


「黒木?」


俺の仲間だと言う男子達が姿を見せた。
息苦しさに追い討ちをかけるように、また頭痛が襲ってきた。
目の前の景色がぼやける。


お前は誰だ…?なぜ俺を…?


「おい!?黒木!!」


俺はその場に倒れこんだ。
俺を支えてくれる、誰かの手は暖かい。

8,親友〜前編〜→←作者から



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匿名 - 他の作品も是非でして下さい! (2020年3月26日 13時) (レス) id: 668208e396 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - とっっっっっても面白かったです! (2020年3月26日 13時) (レス) id: 668208e396 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 - 続きが気になります〜 (2019年4月5日 11時) (レス) id: 10ed114a72 (このIDを非表示/違反報告)
S2R花水木 - 作者です。そう言って戴き、幸いです!リア友にも伝えておきますね! (2019年4月5日 9時) (レス) id: 79c3ee969c (このIDを非表示/違反報告)
青龍 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2019年4月5日 8時) (レス) id: cfbc004beb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:S2R花水木 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年4月4日 12時

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