１０,身体より心〜前編〜 ページ14
上杉side
「上杉？」
誰かに呼ばれた気がして目を開けた。
居たのはKZのメンバーだった。
その中に黒木の姿を見つける。
無傷だった。
よかった…
胸がいっぱいになり、腕を伸ばしてその肩を抱き寄せる。
「良かったよ、お前が無事で。
俺、夢の中でめっちゃ心配したんだぜ。」
話すのも億劫だと感じる中、それだけは言った。
言いたかった。
腕にギュッと力を入れてからそっと手を離した。
黒木はゆっくりと上体を起こす。
直後、視界に入ってきたのは、困った様な黒木の顔だった。
「あの、助けていただいてありがとうございました。
あなたは、俺を知っているんですか？」
……は？
一瞬、思考が停止する。
なぜ敬語？
俺が黒木を知っているのかだと？
冷静に！冷静に！
必死で自分に言い聞かせ、気持ちを落ち着ける。
改めて黒木を見ると、俺はハッとした。
それまで気が付かなかったが、黒木を取り巻いているオーラが何か違った。
まるで幼い子の様な…黒木…。
自分の知っている黒木はもう居なかった。
悪いな…守ってやれなくて。
少しでも触れると一気に壊れてしまいそうな心を守ってやりたかった。
あそこで、身体はもちろん、心も守ってやりたかった。
だが、俺は黒木の心を壊してしまったようだ。
後悔の念で押し潰されそうになり、目を閉じる。
「上杉、ちょっと聞いてくれ。」
という声が聞こえた。
瞼を持ち上げると、身をひるがえして去っていく黒木とそれに付き添う小塚、自分を覗き込む若武、美門、七鬼の姿が映った。
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匿名 - 他の作品も是非でして下さい！ (2020年3月26日 13時) (
レス) id: 668208e396 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - とっっっっっても面白かったです！ (2020年3月26日 13時) (レス) id: 668208e396 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 - 続きが気になります〜 (2019年4月5日 11時) (レス) id: 10ed114a72 (このIDを非表示/違反報告)
S2R花水木 - 作者です。そう言って戴き、幸いです！リア友にも伝えておきますね！ (2019年4月5日 9時) (レス) id: 79c3ee969c (このIDを非表示/違反報告)
青龍 - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2019年4月5日 8時) (レス) id: cfbc004beb (このIDを非表示/違反報告)
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